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企業のメンタルヘルス対策は必要?任意労災による従業員の心のケアの重要性
ものづくりの重要拠点である愛知県。日本の真ん中ともいえる名古屋市にも、多くの企業があります。企業にとってそこで働く従業員、すなわち「人」は財産ですが、その財産を蝕むのはケガや病気などだけではなく「心の病」や「過労」などに伴うメンタル面での不調です。
ここでは、従業員のメンタルヘルス問題に企業がどう取り組むべきなのか、また対応した保険に加入した場合どういった補償を備えられるか考えてみましょう
【目次】
1.多くの経営者はメンタルヘルス問題についてすでに認識している
2.過労や心の病による死亡が労災になってしまう
3.企業側が行うべきメンタルヘルス対策に保険の付帯サービスを利用する
4.今回のまとめ
多くの経営者はメンタルヘルス問題についてすでに認識している
厚生労働省による調査では、現在の仕事や職業生活に関することで強いストレスになっていると感じる事柄があるか?という質問に58.0パーセントの人が「ある」と答えました。
ストレスの原因や内容としては「仕事の質、量」が59.4パーセントと最も多くを占めています。次いで、「仕事の責任や失敗」が34.0%「セクハラ、パワハラを含む対人関係」が31.3%と続けてあげられています。
※出典 厚生労働省 平成30年労働安全衛生調査
また、約65パーセントの企業が、従業員のメンタルヘルス問題が生産性低下や重大事故につながると認識しています。
※出典 労働政策研究・研修機構「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」
上記調査からすると、半数以上の方がストレス状態にあり、その原因が毎日のお仕事関連だということがわかります。また、企業の経営者の半数以上がそのストレスが重大事故につながりそうだと頭では認識していることが読み取れます。
過労や心の病による死亡が労災となってしまう
・1991年、大手広告代理店の男性社員A氏が自宅で自殺をしました。
A氏は日頃、上司からパワハラや酒席での嫌がらせを受けており、また月平均147時間もの残業を強いられていました。
A氏の遺族は、長時間労働によるうつ病を発症したことが原因であるとして企業を相手取り損害賠償請求を起こしました。2000年、同社が遺族に1億6800万円の賠償金を支払うことで和解しました。
・2012年、大手外食フランチャイズ店の店長B氏が、致死性不整脈により死亡しました。
B氏の半年間の時間外労働時間は月平均112時間でした。地裁は過労死を認め、企業に4600万円の支払いを命じました。
仕事によるストレスが原因で、精神障害を発症したり、自殺したとして認定されるケースは年々増加しています。また、長時間労働などにより健康を害し、過労死するケースも少なくありません。
2つの事例から、現在の労災訴訟は、ハラスメントや長時間労働、それにともなう心疾患など、ありとあらゆる要素が複雑に絡み合い労災につながっているのが読み取れます。自殺が労災認定になってしまうというのも、企業の経営者様にとって予測のつかない事態が突然ふりかかってくる可能性があります。またこのような労災の賠償事案は高額化する恐れもあり、多くの時間と大金を失うことにもなりかねません。
企業が行うべきメンタルヘルス対策に保険の付帯サービスを利用する
厚生労働省は企業が行うべきメンタルヘルスケアについて、次の4つの実施方法を定めています。
1.セルフケア
※労働者自身がストレスに気づき、知識を身に着け対処するための教育、研修、情報提供についてのサポート
2.ラインによるケア
※上司などの管理監督者が職場環境の改善や相談対応、職場復帰支援を行う
3.事業場内産業保健スタッフなどによるケア
※保健スタッフなどがセルフケア、ラインケアが効果的に行われるよう心の健康づくりの計画提言をし、労働者や管理監督者を支援。またメンタルヘルスケアに関する方針を明示し制度及び体制を実態に即して備える。
4.事業場外資源によるケア
※専門的な知識を有する機関を活用し支援を受ける体制を整える。また必要に応じて労働者を医療機関に紹介できるようネットワークを形成しておく。
上記の4つを見てみますと、企業の経営者は今まで以上に従業員のメンタル部分の体制を整えておくべきだとわかります。このような対策を独自に用意するのは大変難易度が高く見えますが、実は損害保険の中の任意労災の保険に自動付帯されるサービスを使ってメンタルケアカウンセリングの社外サービスを準備することも可能です。保険会社によっても種類は違いますが、付帯サービスによる心のケアを実施しながら、いざ労災認定された場合は補償部分が発動し従業員をお守りすることができます。
関連記事▶経営者が押さえておきたい病気での労災認定の基準と労災の上乗せ保険の準備
今回のまとめ
2008年、労働契約法の施行以来、労働者に対する「安全配慮義務」が明文化されました。
心疾患、自殺に対しても、それが労働環境等に起因するものであれば、企業責任が問われることになります。
今や社会的責任という面においても、従業員の「こころ」や「からだ」の健康管理や、安心して働ける職場環境の整備は必須課題だと言えるでしょう。
企業向け任意労災保険の中には、仕事中のケガだけでなく、労災認定された脳、心臓疾患、精神障害を原因として万一従業員が死亡したり、後遺障害を生じた場合、その入院、通院費用や損害賠償責任について補償してくれる商品もあります。一度ご自身の経営する企業においてメンタルヘルス対策が整っているか見直すとともに、そういった企業向け業務労災保険で万が一の補償に備えるのも一つの手段といえます。また、各保険に無料で利用できる付帯サービスを上手に運用し、従業員様のメンタルヘルスケアを会社で整えていきましょう。
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