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【テレワークと出社】ハイブリッドワーキングは定着するか
日本テレワーク協会・働き方未来特別研究プロジェクトは、2022年にまとめたレポートの中で、2021年度を「ハイブリッドワーク元年」と名付けました。Withコロナ、アフターコロナの中で出社とテレワークを組み合わせた働き方の試行が始まったとするいっぽう、企業の多くが引き続き総労働時間の伸びやコミュニケーションを課題にあげています。
【目次】
1.ハイブリッドワークとは
2.ハイブリッド型の課題
3.ハイブリッドに取り組む企業事例
4.今回のまとめ
ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィス勤務を組み合わせた柔軟なスタイルの働き方です。企業によって導入形態は異なりますが、下記のようなパターンが一般的に見られます。
・テレワークとオフィス勤務を自由に選択できる
・オフィス勤務しなければならない日が決まっている
・育児や介護など、出社が難しい日はテレワークを選択できる
これまでは基本的にオフィスワーク一択だった働き方にテレワークを取り入れ、働き方や働く場所の選択にフレキシブルな要素を加え、社員の個別の事情を尊重していくことがハイブリットワークの考え方です。ハイブリッドワークが広まった背景にはもちろん新型コロナウイルスの影響が無視できません。感染防止対策としてテレワークが取り入れられ今も多くの企業で制度が取り入れられています。しかし完全なテレワークでは、以下のようなデメリットも浮き彫りになっていました
◆家での作業ばかりだと仕事とプライベートの区別が難しい
◆会社のPCでしかできない作業がある
◆社員同士のコミュニケーションが取りづらい
こうしたデメリットを補うために取り組まれたのがハイブリッドワークであり、今多くの企業が移行しつつある形態です。
ハイブリッド型の課題
日本テレワーク協会が事務局を務める同プロジェクトには、国内を代表するテレワーク先進企業ら計18社が登録されています。参加企業はNTTグループ、日立製作所、富士通、電通、リクルートなど、錚々たる顔ぶれです。他業種からの参加も少なくはないものの、やはり大手=テレワークの社会的浸透を望む企業が多く含まれているとの印象があります。2021年度のレポートによると、これらの企業のオフィス部門では出社率が3割前後という企業が多く、テレワーク主体の働き方が定着しつつあるといえます。ペーパーレスや脱ハンコ、クラウドツールの活用などが進んだ結果、製造現場や物流関連職を除けばほぼ阻害要因はなくなりました。しかし、もちろん課題も残っています。課題は大きく2つ、総労働時間の伸びと、コミュニケーションについてです。
総労働時間の伸びでは、具体的な事象として通勤時間の業務時間へのスライド、1on1による手厚いコミュニケーションによるマネジメント負荷の増加、ウェブ会議数、時間の増加、海外との早朝・深夜会議の恒常化などがあがっています。しかし全体としてみれば企業としては優秀な人材を勤務場所に囚われず確保することができる。オフィススペースに余裕がうまれる、もしくはスペース自体が不要になるため、家賃などの経費を節約できる、また働き方の従業員満足度が向上し人材流出を防ぐことができるなどメリットも大きく、様々な課題を克服しながらも今後もこういった流れは進んでいくものと思われます。
(参照 労働新聞第3361号)
ハイブリッドに取り組む企業事例
【人材派遣業P社】
人材派遣事業等を展開するP社は離島に新しく拠点を構え、首都圏と地方、あるいはリモートワークとオフィス勤務を組み合わせるハイブリッドワークを導入しました。島内ではカフェやホテル、海辺など、自宅・オフィス以外での仕事も認められています。大自然に囲まれながら柔軟な働き方ができることに、従業員の満足度も高いようです。
【ソフトウエア開発会社S社】
同社では、リモートワーク率が90%を超えているそうです。次のような取り組みを行っています。
・「仮想オフィス」を本社にして情報格差を解消
・ほぼすべての業務をオンライン化し、情報を細かく記録
・オフィスワークとテレワークの頻度は従業員自身で決める
仮想オフィスとは、オンライン上のオフィスのことで、業務に関する情報配信やコミュニケーションなどを集約します。仮想オフィスでは、会議や書類作成、労務管理など、ほとんどの業務をオンライン化し、議事録などで情報を細かく残しているそうです。また同社では、自分の働き方を従業員自身で決める「働き方宣言制度」と呼ばれる制度を取り入れています。始業、終業時間の報告など最低限のルールを定めた上で、働き方は自由に設定できるといいます。オフィスワークとテレワークの頻度も自由に決められるようです。
今回のまとめ
新しい働き方によって企業と従業員との間で新たなトラブルやハラスメントが生まれる可能性もあり、雇用側のリスク管理もますます重要になっています。民間の保険の中には、従業員とのトラブルの解決費用、企業が訴えられ損害賠償責任をおった場合、その争訟費用や専門家への相談費用を補償するものがあります。
働き方が多様化する今、雇用リスクにそなえる補償に入っておくことは、リスクマネジメントの一環として必要なことなのではないでしょうか。
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