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外国人実習生の受け入れの闇<厳正な処罰へ>

外国人実習生の受け入れの闇<厳正な処罰へ>

コロナ禍によって止まっていた外国人技能実習生の新規受け入れが、規制緩和により活発になってきました。しかし外国人実習生と受け入れ先とのトラブルも増加しており、その主な原因の一つに受け入れ先である企業による法令違反があると言われています。残業代未払や長時間労働などの法令違反により、耐えきれず失踪を図る技能実習生もいるようです。どうすればこのような事態を防ぐことができるでしょうか。

【目次】

1.時給500円で働かせた岐阜の縫製業者が書類送検

2.実習生の労災事故が相次ぐ

3.今回のまとめ

 

時給500円で働かせた岐阜の縫製業者が書類送検

岐阜労働基準監督署は、中国人技能実習生13人の基本給を月額9万円(時給約500円)とし、最低賃金を上回る額を支払わなかったとして縫製業者である(株)P社の代表取締役を、最低賃金法違反の疑いで岐阜地裁に書類送検しました。

【事件のあらまし】

(株)P社は、実習生13人に対して、令和元年12月からの10か月分の定期賃金約420万円と、割増賃金約490万円が不払いでした。同労基署が、令和元年に臨検した際には、(株)P社は賃金台帳を改ざんし、隠ぺいを図っていました。さらに実習生への事情聴取にあたり、女性の実習生の胸ポケットにボイスレコーダーを仕込んだうえで「録音をしているので余計なことを言うな」と指示をしていたことがわかりました。令和2年2月労基署は再度臨検を行い、是正勧告を出しましたが、被疑者ら((株)P社代表取締役である夫婦2名)は容疑を認めたものの、改善されなかったため送検にふみきったとみられます。同社は令和3年5月に事実上倒産しており、ある時期からは基本給の月額9万円も支払うことができなくなっていました。また時間外労働が120時間以上に上る月もあり、36協定の特別条項で定めた月75時間を超えていました。

岐阜労働基準監督署によると、同県の縫製業界では、実習生に関する最賃法、労働基準法違反が横行しているとの事です。実習生側でも「どこも時給は最低賃金以下なのでたくさん働けて賃金の総額が良ければよい」と考え、会社と口裏をあわせてしまい摘発が難航することも多いようです。同労基署では、証拠を確実におさえるため今後は強制捜査や逮捕も辞さず、厳正に処罰していくとのことです。(労働新聞 第3359号参照)

実習生の労災事故が相次ぐ

実習生が職場でけがや病気になったとしても、職場が労災であるという事実を隠すケースがあります。また実習生本人も労災に関する知識がないため、支援団体などへの報告をせず、把握できていないというケースも少なくありません。

【労働災害が発生した際の企業側の対応】

労災保険は国が所管する「強制保険」であり、労働基準法では労働者が「業務上の事由により被った災害」については、事業主は補償しなければならないと規定されています。技能実習生も日本人従業員と同様に労災保険の対象になります。実習実施機関は、被災した技能実習生から必要な証明を求められた場合速やかに対応しなければなりません。また、技能実習生が自分で対応することが困難な場合、実習実施期間は手続きを行うことができるように、助力する必要があります。

【もし労災事故が起きたら?】

Step 1. 療養給付

業務災害又は通勤災害による傷病により療養する際に関わる給付金です。

□療養の給付:労災病院や指定医療機関

□薬局等において、必要な療養(現物の給付)が受けられます。※原則として治療費無料

□療養の費用:指定医療機関等以外の病院等で療養した場合に、その療養に要した費用が支給されます。※原則として治療費用が戻ってきます

Step 2. 休業保険の手続き

□療養のために労働することが出来ず、賃金を受けない期間が4日以上にわたった場合に関わる保険内容です。

□休業4日目以降一日につき、「給付基礎日額」の60%相当額が支給されます。※業務災害の場合、最初の3日間については、事業主の補償義務あり

□休業特別支給金:上記の休業(補償)給付支給対象となる休業一日につき、「給付基礎日額」の20%相当額が支給されます。※事業主の補償義務なし

□休業4日目以降は、実質的には給付基礎日額の80%相当額が支給されます。

 Step 3. 保険会社へ連絡

□保険の補償を使う際、保険会社へ手続きに関する連絡をします。

事故後には、実習生が所属する監理団体に報告することを忘れないようにしましょう

今回のまとめ

実習生の受け入れが進むと、その分実習先でのトラブルや労災事故も多くなっていくと思われます。不慮の事故によるケガや、病気で入院したりする技能実習生が出ることを予想し、受け入れ先は、公的保険を補完するものとして労災の上乗せ保険などに加入することにより、実習生のケガや病気にも迅速に対応できるようにしておくことが望ましいでしょう。労働関係法令を遵守し、また万が一の補償を備えておくことは、受け入れ先企業、実習生双方にとって、とても大切なことです。

 

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