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メンタルヘルス「ラインによるケア」が重要

メンタルヘルス「ラインによるケア」が重要

私たちは、日々、さまざまなストレスとともに生活しています。職場で感じるストレスは、業務内容に関連するものや、人間関係によるものが挙げられます。プライベートで感じるストレスが仕事に影響する場合もあり、同じ環境で仕事をしていても、ストレスを強く感じる人とそうでない人がいます。職場でのメンタルヘルスに関する4つのケアについて、以前このコラムでも取り上げましたが、今回はその中でも特に重要な「ラインによるケア(労働者と日常的に接する管理監督者)によるケア」について取り上げたいと思います。

【目次】

1.職場でのメンタルヘルスケアはなぜ必要なのでしょうか

2.一番重要な「ラインによるケア」

3.今回のまとめ

 

職場でのメンタルヘルスケアはなぜ必要なのでしょうか

メンタルヘルスとは、文字通り「心の健康」のことです。メンタルヘルス不調とは、労働者が仕事やプライベートで強いストレスを感じ、その状態が続くことで、自分だけでは対処しきれなくなり、心身に不調をきたしてしまうことです。メンタルヘルス不調の原因は人それぞれですが、職場にはさまざまなストレス要因があり、労働者だけで取り除く事が難しい場合も多く、企業による積極的なメンタルヘルスケアが不可欠です。メンタルヘルスケアとは、全ての労働者を対象に、健やかでいきいきと働けるような気配りと援助を行うこととされています。企業がメンタルヘルスケアを行うことで、労働者の健康保持増進、事業場の健康リスクマネジメント、職場の活性化と生産性の向上など、さまざまなメリットがあります。

◇メンタルヘルスの4つのケアとは?

厚生労働省では、メンタルヘルスについて4つのケアを推奨しています。こちらでは、それぞれの特徴をご紹介します。

①セルフケア

まずは、従業員自身がセルフケアを行うことが重要とされています。自身の心や身体の健康状態は自分が一番理解できるため、気分の落ち込みや集中力の欠如といったサインを見逃さないことが大切です。また、従業員が50人以上いる事務所では、年に1回のストレスチェックが義務付けられています。この機会を活用して自分の心の健康状態を確認するのも効果的です。

②ラインによるケア

ラインによるケアとは、従業員を管理監督する上司が行うケアのことです。管理監督者には業務の円滑な遂行だけでなく、部下である従業員の異変の早期発見や対応、職場環境の改善、休職者の職場復帰の支援などの役割が求められます。

③事業場内産業保健スタッフ等によるケア

事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは、セルフケアやラインケアが機能しているかどうか、チェックし適切な策を講じる仕組みのことです。

④事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアとは、外部の専門機関と協力してメンタルヘルスケアを行うことを指します。産業医の在籍していないオフィスや、メンタルヘルスを専門に扱っていない産業医の場合は、外部の専門機関との連携で、より実効性のある施策を展開できます。

一番重要な「ラインによるケア」

ラインによるケアでは、部長・課長などの管理監督者が「いつもと違う」部下に早く気付くことが重要です。部長、課長などの管理監督者には、社長などの事業主から労働者である従業員に対して指揮・命令を行う権限が委譲されており、ひいては、部下である従業員の健康を配慮する役割も求められています。この役割を果たすためにはまず部下の健康状態を把握しなければなりません。部下に対して「いつもと違う」と感じた経験はありませんか?

【例えば・・・】

①遅刻、早退、欠勤(無断欠勤含む)が増える

②仕事の能率が著しく悪くなる

③表情に活気がなく動作も元気がない

④服装が以前より乱れている

⑤報告や相談、職場での会話がなくなる

「いつもと違う」部下には、労務管理上何らかの対応をすることが求められます。

ただし、その背後に病気が隠れている可能性もあるので、その場合部下と話し、産業医などへの相談、受診につなげることが大切です。

【傾聴】で良い関係を維持

現場の管理監督者は日常的に部下からの自発的な相談に対応する役割を担っています。そのため部下の話をじっくり聴くことが重要です。日頃から傾聴の姿勢ができていれば、上司と部下の関係はよい状態で維持されやすくなります。

今回のまとめ

社会的責任という面においても、従業員の「こころ」や「からだ」の健康管理や、安心して働ける職場環境の整備は必須課題です。

企業向け任意労災保険の中には、仕事中のケガだけでなく、例えば従業員が職場環境を原因としてうつ病を発症したり、労災認定された脳、心臓疾患、精神障害を原因として万一従業員が死亡、後遺障害を生じた場合、その入院通院費用や、訴訟になった際の損害賠償責任について補償してくれる商品もあります。労務トラブルが起きた際、心身不調になった従業員への対応について臨床心理士や社会保険労務士、弁護士などの専門家に相談することもできます。一度ご自身の経営する企業においてメンタルヘルス対策等が整っているか見直すとともに、こういった企業向け業務労災保険で万が一の補償に備えるのも方法の一つかもしれません。

 

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