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[建設業]労災防止対策強化見直しへ

[建設業]労災防止対策強化見直しへ

労働局では今年度から建設業に対する安全衛生対策、長時間労働対策を強化する見込みです。昨年度大幅に増加した死亡災害の4割を建設業が占めていることから、このほど労働基準監督署と、建災防を集めて東京を中心に決起集会を行い、現場指導を徹底する方針を共有するようです。東京では建設業が1か月平均の時間外労働が最も長い業種となっていることを受け、2年後にせまった上限既制の適用について周知を図るとともに長時間労働の抑制に向けた監督指導を強化していくとのことです。

【目次】

1.建設業時間外労働の上限規制とは

2. 長時間労働是正に向けて国が推進する施策とは

3. 建設業の皆様が長く健康に働ける職場づくりを

 

建設業時間外労働の上限規制とは

建設業界は、従来から慢性的な長時間労働や休日不足に悩まされている業界のひとつとされています。そこには短い納期に追われがちなことや、災害などの緊急時に対応する必要が生じることがあるといった、業界特有の事情も影響しているものと考えられます。そうした業界特有の事情もあって、建設事業は、働き方改革によって導入された「時間外労働の上限規制」の適用が5年間猶予される事業のひとつとされてきました。しかし、5年間の猶予が終了する2024年4月1日からは、建設事業も「時間外労働の上限規制」の適用対象になることとなります。これまでになかった上限規制が導入されることによって、建設業界における時間外労働の事情はどう変わっていくのでしょうか。

(1)36協定で設定できる時間外労働の限度に関する規制が「罰則付き」になる

使用者が労働者に時間外労働や休日労働をさせる場合には、労働基準法36条に基づく労使協定(「時間外・休日労働に関する協定届」。いわゆる36協定)を労働者の代表との間で締結し、所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。36協定では、時間外労働を行う業務などについて定めることになりますが、時間外労働の上限については「月45時間・年360時間」を原則とする限度時間の規制を守らなくてはなりません。かつては、この上限規制は厚生労働大臣の告示という形式にとどまっており、違反した場合にも行政指導が行われる程度で、法律上の罰則はありませんでした。それが、改正労働基準法の施行(2019年4月)に伴い、罰則付きの法律として、厳格化された形での適用がスタートしました。この適用が猶予されていた建設業においても、猶予期間が終了する2024年4月以降は、他の業種と同様に、この上限規制が罰則付きの法律として適用されることになります。罰則の内容は、違反した使用者に対して「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処することとなっています(労働基準法119条1号)。

長時間労働是正に向けて国が推進する施策とは

国は、労働時間の規制を厳格化するだけでなく、民間と協力して働き方改革を行っていこうとしています。

◇建設業における労働環境の現状

年間の労働時間・労働日数

国土交通省の発表によると、建設業における年間実労働時間は、2019年度において2056時間となっています。これは、調査の対象となった産業全体の平均(1720時間)を大きく上回っています。また、年間出勤日数については、2019年度において251日となっています。これも、調査の対象となった産業全体の平均(222日)を大きく上回るものです。

4週あたりの休暇日数

同じ国土交通省の発表においては、建築工事・土木工事の両方を含めた建設工事全体では、64%の労働者が「4週4休」以下で就業している状況となっています。労働基準法35条は、使用者に対し、「1週間当たり1日」または「4週間当たり4日」の休日を労働者に付与することを義務付けていますから、建設業において十分に休日が与えられているとはいえない状況がうかがわれます。

今のところ例外が認められている災害からの復旧・復興事業においての時間外労働上限規制についても、将来的には、例外なく一般的に適用することを検討するとしています。

その他民間と協力しながら、以下のような施策をはじめとするさまざまな対応を進めていくものとしています。

・「時間外労働の上限規制」の適用に向けた制度と環境の整備、建設業界に対する支援措置

・技術者・技能労働者の確保・育成の制度構築

・生産性向上施策(施工時期の平準化、全面的なICTの活用、書類の簡素化、中小建設企業への支援等)

建設業の皆様が長く健康に働ける職場づくりを

建設業界にとって、時間外労働の上限規制が適用される2024年4月までに労働環境を改善することは急務です。建設業は社会のインフラを守る、公共性の高い意義のある仕事です。業界全体の構造的な課題を解決して、持続的に成長していくことが期待されます。法律への対応という観点だけでなく、将来の業界全体の維持や成長のためにも建設業界にとって働き方改革は欠かせません。また、他業種に比べてもケガやメンタルヘルスなどの問題に深刻な事態が生じやすく、ハラスメントなどの問題への知見もかかすことができません。民間の保険会社では、従業員のケガや病気、ハラスメントなどの雇用に関するリスクを取り扱っている商品もあります。それらを上手く活用しながら建設業界全体の働き方改革へとつなげていくことができるかもしれませんね。

 

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