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中小企業の事業主にも義務化される!4月から施工されるパワーハラスメント防止措置とは

中小企業の事業主にも義務化される!4月から施工されるパワーハラスメント防止措置とは

以前から施工されているパワハラ防止法に対して、2022年4月からは中小企業にも防止措置が義務付けられることとなりました。この法律には具体的な罰則はありませんが、会社が対策を怠った場合には損害賠償責任を問われる可能性はあるといえます。会社の大小に関わらずパワハラは意外と身近に発生しており、各企業にて早急に対応が必要となってきます。

【目次】

1.2022年4月からは中小企業でもパワハラ防止措置が義務付けられます

2.ハラスメント対策と損害保険の備えとは

3.今回のまとめ

 

2022年4月からは中小企業でもパワハラ防止措置が義務付けられます

令和2年6月に「改正労働施策総合推進法」が施工されました。そして中小企業に対する職場のパワーハラスメント防止措置は、令和4年4月1日から義務化となります。

※令和4年3月31日までは努力義務

まずは職場での「パワーハラスメント」の定義をおさえましょう。

◇職場における「パワーハラスメント」の定義とは

職場で行われる、①~③の要素全てを満たす行為をいいます。

①優越的な関係を背景とした言動

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

③労働者の就業環境が害されるもの

※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しません。

また、具体的に職場にてパワーハラスメントの代表的な言動や該当すると考えられる例を下記にあげます。

【代表的な言動の6つの類型とは】

①身体的な攻撃(暴行・傷害)

・殴打、足蹴りを行う

・相手に物を投げつける

②精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)

・人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。

・業務の遂行に必要な以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う。

③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)

・1人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる。

④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)

・新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する。

⑤過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)

・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。

・気に入らない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない。

⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する。

※厚生労働省HP参照https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000855268.pdf

上記のように明確にパワハラの定義が公表されております。

ハラスメント対策と損害保険の備えとは

では次に職場においてパワーハラスメントを防止するためにどのようなことができるのかを下記に記載していきます。

◇事業主が必ず講じなければならない具体的な措置内容とは

【事業主の方針等の明確化および周知・啓発】

①職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること

②行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等文書に規定し、労働者に周知・啓発すること

【相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備】

③相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること

④相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること

【職場におけるパワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応】

⑤事実関係を迅速かつ正確に確認すること

⑥速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと

⑦事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと

⑧再発防止に向けた措置を講ずること(事実確認が出来なかった場合も含む)

【併せて講ずべき措置】

⑨相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること

⑩相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

※労働者が事業主に相談したこと等を理由として、事業主が解雇その他の不利益な取り扱いを行うことは、労働施策総合推進法において禁止されています。

◇職場におけるパワーハラスメント防止等のための望ましい取り組みとは

以下の望ましい取り組みについても、積極的な対応をするように厚生労働省で発信しています。

■パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントは、単独ではなく複合的に生じることも想定し、一元的に相談に応じることのできる体制を整備すること

■職場におけるパワーハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための取り組みを行うこと

■職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を行う際に、自ら雇用する労働者以外に、以下の対象者に対しても同様の方針を併せて示すこと

・他の事業主が雇用する労働者

・就職活動中の学生等の求職者

・労働者以外の者(個人事業主などのフリーランス、インターンシップを行う者、教育実習生等)

■カスタマーハラスメントに関し以下の取り組みを行うこと

・相談体制の整備

・被害者への配慮のための取り組み

(メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して1人で対応させない等)

・被害防止のための取り組み(マニュアルの作成や研修の実施等)

以上です。

ハラスメントは決して事業主だけではなく中間管理職におけるリスクもあり、上記のような対策をしていたとしても、見えないところで行われてしまうことも散見されます。損害保険代理店の観点からすると、この雇用リスクといわれるハラスメントに対するリスクを保険で備えておくことは経営において必要不可欠だとも考えます。ぜひ色々な管理体制を整えるとともに損害保険についても考えてみるきっかけとなると良いですね。

今回のまとめ

企業サイドでどれだけハラスメントに対して準備をしていたとしても、一時の事案にて捉える側の気持ちでハラスメントに発展してしまうことも多分に漏れずあると感じます。

4/1からの施行をきっかけに損害保険についても見直すタイミングとしてみるのもいかがでしょうか。

 

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