お知らせ・コラム
あなたのギモンにお答えします!労働実務相談Q&A vol.4
企業経営者の皆様が日々の経営の中で起こり得るリスクやトラブルについて、こんな時はどうするの?会社としてどう対応すべき?などの皆様の疑問に、最新の基準による例を用いてお答えしていきたいと思います。
※ここで用いた例は労働新聞社発行の安全スタッフを参照にしています。
【目次】
1.いじめの労災認定は 同僚間ではパワハラとはいえない?
2.デパート立ち寄り通勤災害。「逸脱、中断」範囲とは?
3.感染症は業務上の災害となる?医療関係「以外」の判断基準とは
4.今回のまとめ
いじめの労災認定は 同僚間ではパワハラといえない?
【答え】相談に応じないと負荷「強」と判断されることも
まず、問題の言動を行ったのが同僚や部下であっても、業務上必要な知識や豊富な経験等を有している者であれば「優越的な関係を背景とした」言動としてパワーハラスメントになり得ます(令和2年1月15日厚生労働省告示5号)。
パワハラに当たらない同僚等からのひどいいじめや嫌がらせは、従前と同様労災認定の対象です。業務上の疾病というためには、業務による「強い」心理的負荷があることが要件です。これまで「強」と認定されるには、ひどいいじめや嫌がらせが執拗に行われたことなどが例示されていました。しかし、令和2年6月1日以降の認定基準では、心理的負荷が「中」程度の人格や人間性を否定するような言動が「反復・継続していない」場合でも、会社が相談に応じない、又は適切な対応をしなかった場合、心理的負荷を「強」に修正するとされているため、注意が必要です。
デパート立ち寄り通勤災害。「逸脱、中断」範囲とは?
【答え】日用品といえるかがポイント。時間など最小限度が条件。
通勤途中において、労働者が逸脱、中断した場合、その後における帰宅行為は原則として通勤とは認められないものとされています。ただし逸脱・中断の目的が「日常生活上必要な行為であり、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度の行為」である場合には、逸脱、中断から合理的な経路に復した後は通勤と認められます。本件はスーパーに立ち寄り夕食の食材を購入後、デパートでウインドウショッピングをし、通常の経路に復してから災害にあったケースですが、夕食の食材の購入は厚生労働省に定める「日曜生活に必要な行為」に該当するものの、その後ウインドウショッピングに一時間費やしたことは該当しないものと考えられます。したがって、本件は通勤災害とは認められない可能性が高いといえるでしょう。
感染症は業務上の災害となる?医療関係「以外」の判断基準とは
【答え】業務や通勤が起因か判断
新型コロナウイルス感染症による労災について、当該災害が業務または通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。都市部での公共交通機関の利用などは濃厚接触のリスクも高く、感染するのではという心配は当然ですが、実際のところ「通勤(のみ)によって感染した」という証明は、なかなか難しいと言わざるを得ないのが現状です。一方、職場の同僚が感染者であって、濃厚接触していたなど感染経路が明確に特定できる場合、こちらは「業務災害」と認められる可能性があります。
業務上、通勤における災害の場合、必要な給付は労災保険で受けられるため、治療費の自己負担は原則としてありません。休業を余儀なくされた場合には、休業4日目から(特別支給金と併せて)1日当たり給付基礎日額の80%相当額の休業給付も支給されます。会社としては、従業員の感染症が疑われる場合、それが労災である可能性も視野に入れて対応することが必要です。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日々の業務の中で起こりがちな様々な労務トラブルにまつわるお話をさせていただきました。業務中のケガや病気、そして今はコロナウイルスと、様々なことに企業としてどう対応したらよいのか、経営者の皆様も日々苦心していらっしゃることと思います。保険代理店では、従業員のケガや病気に備える労災の上乗せ保険、働けない間の所得補償、そしてコロナ対策のための費用など、企業様のニーズにお応えできるご提案をさせていただくことが可能です。ぜひ一度お近くの代理店などでご相談ください。
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