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労災事故が起きた際の「惨事ストレス」に対応する方法とは

労災事故が起きた際の「惨事ストレス」に対応する方法とは

経営者の皆様は日々の業務に忙しく、管理的な立場にいたとしても従業員の心の健康問題にまで目を向ける余裕が無くなりがちかもしれません。今回は労災事故のショックにより出社拒否になってしまったケースをもとに惨事ストレスを抱える従業員様への最善の対応方法について触れていきます。

【目次】

1.労災事故のショックで出社拒否になってしまった従業員の事例とは

2.対応のポイントとNG対応について「最後は損害保険というお守りも大事」

3.今回のまとめ

 

労災事故のショックで出社拒否になってしまった従業員の事例とは

ひとたび労災事故が起きてしまうと、その当事者だけではなく全従業員が動揺してしまう恐れがあります。これを惨事ストレスといいます。

・惨事ストレスとは

通常の対処行動規制がうまく働かないような問題や脅威(惨事)に直面した人、あるいは惨事の様子を見聞きした人に起こるストレス反応を指します。惨事の例としては、地震や水害などの自然災害の他、交通事故や火災などの人為的災害や事故、レイプや虐待などの暴力的行為などがあげられます。

では事故のショックで出社拒否となってしまった事例を見ていきましょう。

・惨事ストレスを引き起こした労災事故事例

工場内で爆発事故があり、社員の一人が重度の火傷で入院してしまった。次の週、事故の現場にいたAさんと同じ職場で別シフトだったBさんが相次いで年次有給休暇をとり、その後、Aさんは出社困難に、Bさんは他の職場への異動を申し出ました。社内では動揺が広がっている。

 

大惨事の惨事のことをとって惨事ストレスと表現しますが、上記はまさに惨事ストレスの事案といえます。このような事故や事件や爆発など、危険な体験があったときにショックとか、特有のストレス反応が出てしまうことを指します。まず工場で爆発が起き、社員の一人が重度の火傷を負いましたが、その方は入院しているので医療に任せることができます。しかしながら残った同僚サイドには問題がのこります。この事例でいうとAさんBさんの2人だけに限らずこの工場で働いている人たち全員がショックを受けてしまう事態に発展しています。たまたまケガをした人は、自分じゃなかったかもしれないけれど、ちょっとした違いで自分の身にふりかかったかもしれません。その場に居合わせたAさんにおいては特に、自分がなっていたとしても不思議じゃないと思うかもしれません。また、Bさんはその場にいないので何でそんなに調子が悪くなるのかと思われるかもしれませんが、彼女もローテーションでたまたま非番であっただけで、1日ずれていれば、やはり自分だったかもしれないという風にここで働いている皆が「それは自分に起きたことかもしれない」「自分に起きていても不思議ではない」と思いますし、最悪の場合、亡くなったりすることもあります。そうすると、ものすごい恐怖や不安が従業員全員に起きても不思議ではありません。

対応のポイントとNG対応について「最後は損害保険というお守りも大事」

上述した事案のように社内で動揺が広がっているというのは、AさんBさんだけではなく、全従業員に対するケアを考えないといけないというところがポイントとなります。そうするとまず正確な情報を従業員に対し、朝礼や集会、工場の場合かなりの規模の人数がいるかもしれませんが、全員を集めて工場長やトップがこういうことが起きたが、これからそのケアと原因究明について会社を挙げて取り組んでいく、というふうにまずは従業員を安心させないといけません。そして惨事ストレスについて説明したりパンフを配ったり、短い時間でも良いので研修を行ったりと、会社は誠実に対応しようとしていることを伝えることが大事です。Aさんについてはどれくらいその爆発の場面を見ているかどうかにもよりますが、ラッシュバック※事故の記憶などが突然呼び覚まされること。のようなことが起きたり、このような惨事ストレスの場合、あまりにショックが強いので、脳のスイッチが切れず、夜寝ていてもちゃんと熟睡が出来ず、脳がずっと活動していてそこで悪夢を見たりもします。昼間でもちょっと思い出すと、爆発の場面がよみがえってくるとかそんなことも起きそうです。Aさんにはまず受診を勧めたほうがよさそうです。またBさんもその場にいなかったとはいえ、不調になったり、話を聞いただけでも症状が出てしまうこともありますので、Bさんが異動希望をだしているのならまず今どういう状態なのかその話を聞いてあげること。Bさんにどんな不安があるのか。異動させる・させないの話の前に、Bさんが今不安や恐怖、あるいは組織に対する不信感みたいなものはあるのかどうか、そういうことを十分に話を聞いてあげ、その先に異動の検討をしていくのが良いでしょう。

【対応のポイント】

・ケアに取り組むことと原因究明に乗り出すことを会社が名言

・Aさんには受診を勧め、Bさんにはきちんと話を聞いて異動を検討

【NG対応】

・操業を止めて原因究明せずに情報提供も行わないこと

 

上記のポイントをおさえ誠実に対応対策をとっていくことが重要です。また、会社で準備する損害保険も経営者の強い味方となります。労災の上乗せ保険で業務災害の補償をカバーしつつ、付帯サービスなどのメンタルカウンセリングサービスも上手に利用し、会社としてケアしていきましょう。

今回のまとめ

今回は事例をもとに惨事ストレスについて取り上げました。直接の被害がなかったとしても他の従業員様の精神的なダメージは残っているかもしれません。経営者としてはその部分を理解しつつ、また損害保険を備えつつ、いざというときの対応について誠意ある行動をして従業員様をお守りすることが求められます。

 

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