お知らせ・コラム
『愛知県の高年齢労働者の労災事故が増えています!』必要な対策と労災の上乗せ保険の備えとは
愛知労働局によると、2020年の1年間の愛知県内の労災死傷者が過去10年で最多となったと報告しています。そのうちとくに目立つのが高年齢労働者となっており、じつに全体の24%を占めているとのこと。少子高齢化がすすみ企業内の平均年齢もあがりつつある現在、高年齢の労働者の労災事故を未然に防いでいくことは今後の経営者としての課題だと感じます。
【目次】
1.愛知県内の労災の死傷者数が過去10年で最多となる
2.高年齢の労働者による労災事故を未然に防ぐ対策とお守りとなる労災の上乗せ保険とは
3.今回のまとめ
愛知県内の労災の死傷者数が過去10年で最多となる
仕事中の事故などが原因として2020年の1年間で愛知県内で労働災害として報告された死傷者数は7461人となり、前年比で475人増えていることが愛知労働局のまとめで分かりました。このうち亡くなった人は50人で、死者数が50人を上回るのは14年以来となるとこのことです。※7/14中日新聞参照
労災の死傷者数としては過去10年のなかで最多となってしまい、特に目立つのがそのなかで60歳以上の高年齢労働者が1861人で全体の24.9%を占めており、労働局の担当者からも「高年齢労働者の死傷者増が、全体の増加の一因となっている」との声があがっています。
労災の発生状況を業種別にみると、最多は「製造業」で1889人。小売業などの「商業」は1145人。「陸上貨物運送業」が1718人。社会福祉施設や病院などの「保健衛生業」が847 人。「建設業」が723人となっています。事故が起きた状況別では「転倒」がダントツの1648人で最も多く、「墜落・転落」が1172人、機械などへの「はさまれ・巻き込まれ」が909人でした。このうち死亡事例では、「墜落・転落」が11人、「はさまれ・巻き込まれ」が9人、「交通事故」が6人となっています。高年齢者の転倒や墜落・転落について減らしていくことがひとつの課題だとかんじます。
高年齢の労働者による労災事故を未然に防ぐ対策とお守りとなる労災の上乗せ保険とは
上述したように高年齢労働者による労災事故が増えていっているなかで、厚生労働省は新たなガイドラインを策定しています。
令和2年1月17日、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」通称:エイジフレンドリーガイドライン
このガイドラインを周知徹底をすることで、各事業場で法令で義務付けられている措置を講ずるほか、労働災害を防止することを目的としています。
以下はガイドラインの抜粋項目となります。
事業者に求められる事項
1安全衛生管理体制の確立等
経営トップによる方針表明及び体制整備
経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、労災防止に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明すること。
2危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
災害事例やヒヤリハット事例から危険源を洗い出し、対策の優先順位を検討すること。
職場環境の改善
1身体機能の低下を補う設備・装置の導入(主としてハード面の対策)
身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を検討し、必要な対策を講じること。
■共通的な事項
・視力や明暗の差への対応力が低下することを前提に、通路を含めた作業場の照度を確保するとともに、照度が極端に変化する場所や作業の解消を図ること。
・階段には手すりを設け、可能な限り通路の段差を解消すること。
・床や通路のすべりやすい箇所に防滑素材(床材や階段用シート)を採用し、作業する労働者に防滑靴を利用させること。すべりの原因となる水分・油分を放置せずに、こまめに清掃すること。
・墜落制止用器具、保護具等の着用を徹底すること。
・やむをえず、段差やすべりやすい箇所等の危険個所を解消することができない場合には、安全標識等の掲示により注意喚起を行うこと。
■危険を知らせるための視聴覚に関する対応
・警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい中低音域の音を採用する。音源の向きを適切に設定する。指向性スピーカーを用いる等の工夫をすること。
※指向性スピーカーとは
通常、スピーカーから出る音というのは拡散しますが、指向性スピーカーはその名が示す通り、ある一方向にだけ音を飛ばすことが可能です。
・作業場内で定常的に発生する騒音の低減に努めること。
・有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用すること。
■暑熱な環境への対応
・涼しい休憩場所を整備すること。
・保熱しやすい服装は避け、通気性の良い服装を準備すること。
・熱中症の初期症状を把握できるウェアラブルデバイス等のIoT機器を利用すること。
■重量物取扱いへの対応
・補助機器等の導入により、人力取扱重量を抑制すること。
・不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや配置を改善すること。
・身体機能を補助する機器(パワーアシストスーツ等)を導入すること。
■介護作業等への対応
・リフト、スライディングシート等の導入により、抱え上げ作業を抑制すること。
・労働者の腰部負担を軽減するための移乗支援機器等を活用すること。
■情報機器作業への対応
・照明、画面における文字サイズの調整、必要なメガネの使用等によって適切な視環境や作業方法を確保すること。
上記はエイジフレンドリーガイドラインの一部抜粋となります。詳しくは該当リンクをご確認ください。
該当リンクhttps://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000620183.pdf
厚生労働省が示すガイドラインにはあらかじめ高年齢作業者による労災事故を防ぐための対策方法が具体的に載っていますので参考になります。また、対策をしても発生してしまう労災事故に関しては、損害保険のご準備をすることが好ましいといえます。各保険会社で取り扱う任意労災には、高年齢の作業者であっても、もれなく補償できるよう、無記名無告知で会社に勤める労働者をまとめて包括してお守りすることが出来る商品があります。建設業で下請けとお取引のある企業様は、下請けとして働く方へのケガに対しても備えを造ることができます。また、最近では業務上疾病や私病をふくめて会社一括でお守りできる損害保険もありますので、病気ケガ問わず準備することが可能です。
今回のまとめ
今回は愛知県の労災死傷者数増加のデータから高年齢労働者の労災事故を取り上げ、対策方法を解説していきました。全てを準備することはなかなか難しいケースもあるかもしれませんが、その都度、すこしずつでも環境を備えていき、年齢を問わず安心して働ける環境づくりをしていけると良いと感じます。
労災の上乗せ保険について詳しい案内をおこなっています。株式会社保険ポイントまでお気軽にお問い合わせください。
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