お知らせ・コラム
SNSで炎上?企業経営とSNSとの関係性から損害保険について
今や誰もがSNSを駆使する時代となりました。個人だけではなく、企業や、政府までもが積極的にソーシャルメディアを活用し、発信をしたり情報を受け取ったりしています。皆さんの経営する会社でも、SNSをツールとして広告発信されているところもあるのではないでしょうか。情報のスピード感や、発信に対する反応の新鮮さがSNSの魅力なのですが、中には経営上のリスクになり得る場合もあります。厚生労働省の「技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会」では、SNSへの書き込みによる炎上が、企業経営リスクになり得ると警鐘を鳴らしています。
【目次】
1.SNSの台頭で社内コミュニケーションにも変化が?
2.SNS炎上を防ぐため企業側がとるべき4つの対策
3.民間の損害保険をとおしてお手伝いできることとは?
4.今回のまとめ
SNSの台頭で社内コミュニケーションにも変化が?
上記の報告書によると、メール、電子掲示板、チャットツールなどをはじめとする社内のグループウェア、社内SNSなど新たなICTツールにより社内コミュニケーションに変化が生じているようで、特に外部のソーシャルメディアが労使コミュニケーションに影響を及ぼしつつあるとのことです。たとえばSNSへの書き込みが炎上した場合に企業の安定的な経営を脅かすケースが発生しており、経営上のリスクとなっています。
上記のような投稿に多くの外部参加者から賛同や共感を得ることで、その企業に社会的批判が集まり、経営を脅かす場合があります。
企業としては、こういった事態を防ぐために、社内で不満を表明しやすくする、また表明しても不利な立場にならない雰囲気、企業風土をつくることが大切です。さらに、相談窓口の設置や、1on1ミーティングによる傾聴など、従業員の不満や苦情を処理できる仕組みを整えておくことも必要です。
SNS炎上を防ぐため企業が取るべき4つの対策
ソーシャルメディアは生きたユーザーが集まるコミュニティであるため、どんな情報がネガティブな反応につながるのか予測が難しく、完全に管理することができません。そのため、ソーシャルメディア運用担当者は日ごろから炎上を未然に防ぐための努力をしつつ、リスクが発生したとき最小限に抑える術を学んでおく必要があります。
【企業のSNS炎上を防ぐ4つの対策とは】
①重要な情報のやり取りをしない
守秘義務や秘密保持契約など規則に基づき漏洩させてはいけない事柄をSNSに投稿してはいけません。もし企業アカウントのせいで情報が漏洩した場合、担当者の処分だけでは済まず、会社の損害賠償責任に発展する可能性があります。
②事実かどうか不確かなものは発信しない。
ウラを取っていない情報を発信しないのはもちろん、たとえ信ぴょう性や確信があっても医療や法律、科学など、他者の利害がかかわっている場合はより一層注意が必要です。
③他人のプライバシーや個人情報を発信しない
この場合の個人情報とは、人物を照合できる可能性がある情報すべて意味します。他人のプライバシーに触れる情報を投稿するのは避けるべきです。
④センシティブな世間の関心ごとにむやみに干渉しない
会社の公式アカウントであることを常に念頭において運用しましょう。例えばSNSのトレンドにあがっている話題など、世間をにぎわせている話題にはあえて触れない方が賢明な場合もあります。
もし炎上がおきてしまったら、まずは落ち着きましょう、問題の投稿を慌てて削除するのではなく、まずは直属の上司、広報、法務などの窓口に連絡相談し、適切な謝罪方法や、対応策の協議を行うことが重要です。
民間の損害保険をとおしてお手伝いできることは?
近年、企業や店と顧客との間のトラブルが起きると、その事実がSNSにアップされ、拡散の末に炎上に発展するケースは増えています。また企業の公式アカウントでコンプライアンスに違反しているような言動や、性差別的な発信、社会通念上妥当さを欠く発言をアップしてしまった場合、やはり批判的なコメントが殺到します。
一般的には、企業と顧客とのトラブルがあった場合、被害を被った顧客への対応として、企業賠償責任保険やPL保険に加入することで、事実確認の調査費用、争訟費用や損害賠償費用、弁護士費用などを準備することができます。生産物に問題があった場合は、生産物品質保険に加入していれば、回収等費用、謝罪広告活動費用、調査費用、コンサルタント費用もカバーできます。
しかし、SNSでの投稿そのものが、いわれなき風評や誹謗中傷の場合もあり、その場合の対応はとても難しいと言わざるを得ません。
そこで最近では、SNSに特化した保険を各社が次々に商品化しています。内容としては、SNSによる炎上対応としてのシステムの監視、原因調査費用、コンサルティング費用、コールセンター設置費用、また緊急時マスコミ対応費用などをカバーすることができます。
今回のまとめ
企業がSNSを利用するメリットはたくさんあります。顧客にとって魅力的な情報を一瞬でたくさんの人に発信することで認知拡大することができ、より多くのマーケットを獲得できる可能性があるからです。
その一方、炎上リスクによって企業経営が脅かされる場合もあることは常に頭に入れておかなければなりません。企業内でソーシャルメディアガイドラインを策定し、また万が一の時の対応や民間の保険などによる保障も視野にいれながら、上手にSNSを活用していきましょう。
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