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「会社の雇用リスクは損害保険で備える」上司からのパワハラで労災認定となった事例とは

「会社の雇用リスクは損害保険で備える」上司からのパワハラで労災認定となった事例とは

自殺の原因が上司からのパワハラが原因だとして労災認定をめぐる事例がありました。これまでもパワハラについては問題視されていましたが、2020年6月からはパワハラ防止法も施工され、さらに労災の認定基準も明確化されました。会社側はこのような雇用トラブルが起きた際には、どのように対応すべきなのでしょうか。事例の解説と共に損害保険の必要性について解説します。

【目次】

1.労災認定基準の具体例にパワハラが追加されました

2.愛知県の企業で起きた雇用トラブルによる労災認定の事例とは

3.企業は万が一の労災訴訟にどのように対応しどのように備えるべきか

4.今回のまとめ

 

労災認定基準の具体例にパワハラが追加されました

厚生労働省は精神障害に関する労災認定の基準を改定し、新たにパワハラの項目を追加しました。2020年6月にはパワハラ防止法も施工され、明確化されてきました。精神障害の労災認定基準には「業務による心理的負荷評価表」というものが用いられます。また、理的負荷評価表には「出来事の類型」「具体的出来事」という項目があり、そのなかにパワーハラスメントが追加されました。

厚生労働省業務による心理的負荷評価表(抜粋)該当ページ>https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000623094.pdf

また、精神障害の労災認定基準は、行為がもたらす心理的負荷(ストレス)を「強・中・弱」と三段階で評価しています。

パワハラ労災の基準も同様に「具体的出来事」が三段階で評価されますので、経営者や管理職に携わる方は、一度チェックしておきましょう。

該当ページ>https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000630780.pdf

愛知県の企業で起きた雇用トラブルによる労災認定の事例とは

実際に起きた身近な事例をみていくことで、万が一に備えることや企業としての心構えなど準備出来ることがあります。

直近で起きたパワハラ自殺による労災事例とは

愛知県のT自動車の男性社員が2017年に自殺しました。自殺の原因は上司によるパワーハラスメントだとし、労災認定されその後、遺族側と和解が成立したとしてT自動車は明らかにしています。T自動車と遺族側代理人によると、男性は東京大大学院修了後の2015年4月に入社。車両設計の担当部署に配属された直後の2016年4月ごろから、直属の上司に「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだほうがいい」などと日常的に叱責を受けるようになってしまいました。その後男性は適応障害と診断され2016年7月から3か月間休職。違うグループで職場復帰しましたが、引き継ぎが十分ではなく、周囲の従業員に「席を替わりたい」「死んで楽になりたい」と漏らすようになり、2017年10月に社員寮の自室で自殺しました。遺族からの訴えを受け、豊田労働基準監督署は2019年9月、パワハラと自殺の因果関係を認め、労災認定しました。※中日新聞2021年6月8日記事参照

企業は万が一の労災訴訟にどのように対応しどのように備えるべきか

T社によると、代表のT社長は労災認定の報道ではじめて事案を知ったと言い、2019年11月、遺族に面会し直接謝罪しました。2021年4月7日にも弔問して再び謝罪し再発防止策を説明。「これで完成ではない。私自身が今の気持ちをもち続け、事実を忘れず、二度と同じことを起こさせないよう改善し続けていく」と伝えました。T社はパワハラの再発防止策を強化しました。問題の上司のパワハラは、若手社員の間では知られていましたが、管理職の間では十分認識されていなかった反省も踏まえ、課長級以上の約1万人を対象に、上司や部下、社外を含む関係者ら十数人から評価を聞く『360度評価』の導入を加速させました。適性がないと判断すれば昇格を見合わせたり、管理職から外したりする場合もあり、関係者によるとそうした事例も既に出ているそうです。

また、再発防止策は相談体制の強化など大きく5項目を掲げており、以前から社内の相談窓口はありましたが、さらにメールアドレスの暗号化などで完全な匿名性を担保したり、パワハラを目にした第三者も声を上げやすい環境にしました。兆候を早く発見できる仕組みを整え、人事制度改革など職場風土の改善にも同時に取り組むとしました。

T社は今後5年間、遺族に再発防止の取り組み状況を報告すると約束しました。

このように企業内では特に中間管理職との間でのパワハラ行為については表面化が鈍く、気付いたときには手遅れになってしまうこともあり得ます。T社の改善にあるように、あらかじめ多くの従業員の心の叫びなどを把握することも大事だと思います。そして、企業経営者の皆様は、起きてしまうかもしれない雇用リスクに対しての金銭面でのサポートになる損害保険の準備も必要だといえます。最近では、身体上のリスクである業務災害の保険に追加特約として設定できる保険もありますので、現在の保険担当者に聞いてみると良いかも知れません。

今回のまとめ

今回のパワハラが原因とされる自殺が労災認定となる悲しい事案ですが、遺族は代理人を通じて「パワハラは一人の人間と周りの人たちの人生まで狂わすものだと思います。深刻な被害を考えると、二度と起こらないよう職場環境の改善に真剣に取り組んでいただく必要があります」と伝えています。まさにその通りで、ひとつの事件によって、そのかただけでなく、周りの家族、会社含めて悪影響を及ぼしてしまいます。そのような悲しい事故、事案が起きぬよう、あらかじめ従業員全員の心の声を聞きながら、からだと心の健康経営を目指していきましょう。

 

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