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会社主催の納会で飲酒により死亡

会社主催の納会で飲酒により死亡

忘年会や新年会、歓送迎会などの会社主催の飲み会は、従業員さん同士の懇親や日頃の慰労や感謝の思いを込めて行われることも多いと思います。『お酒は飲んでも飲まれるな』と言いますが、どうしてもお酒の席では大なり小なりトラブルが発生してしまいます。では、会社主催での飲み会のトラブルはすべて会社の責任になるのでしょうか?強制参加や自由参加、業務上の命令により行われたものなのか否か、状況により判断が異なると思いますが実際の事例をもとに考えていきましょう。(労働新聞社 安全スタッフ2月1日号参照)

 

【目次】

1.会社主催の納会で飲酒により死亡

2.会社責任になった事例

3.今回のまとめ

 

1.会社主催の納会で飲酒により死亡

災害のあらまし

金属加工を行う工場に勤務するAさん(50代)は、会社主催の納会で自ら進んで大量に飲酒し、トイレで意識を失っているところを同僚に発見された。同僚は慌てて救急車を呼び、救急病院に搬送されたが翌朝、Aさんは急性アルコール中毒が原因の蘇生後脳症により死亡した。同社の納会は、毎年仕事納めの日に午前中で仕事を切り上げた後、そのまま社内で開催する1~2時間程度の懇親会で費用は会社が全額負担していた

判断

納会は会社のスペースを使って会社が主催しており、費用も全額会社負担であったことや従業員が全員参加していたことなどから業務の延長上にあると考えられた。

しかし会場に用意された日本酒を一気に飲み切るなどの行き過ぎた飲み方が納会の目的を逸脱していたのは明らかであるとして、労災認定では業務外と判断された。

解説

今回のケースでは会社が主催した納会は業務の一環か否か【業務遂行性】、Aさんが急性アルコール中毒になった原因は業務によるものなのか【業務起因性】、の2つがポイントになる。労災が認められるためには、労働契約に基づいて事業主の命令を受けて業務を遂行している時に起きた事故であるという「業務遂行性」を前提に、業務が事故発生の原因になったという「業務起因性」が必要となります

「業務遂行性」について

納会が業務の一環か否かについては、納会は会社のスペースで行われており費用も全額会社負担となっており、年内最後の出勤日の所定労働時間に開催されていた。さらに納会の時間分の賃金控除も無く代表者をはじめ従業員全員が参加していた。そのため、納会は勤務扱いを受けることを前提とした会社主催の行事であり業務の一環と判断される

「業務起因性」について

次に急性アルコール中毒となった原因が業務によるものかどうか、という「業務起因性」については、仕事納めの日に短時間、懇親と慰労の趣旨で行われた納会の目的からあきらかに逸脱した過度の飲酒行為があるとして否定されている。Aさんは飲酒強要によらず、自分の意思で350mlの缶ビールを2~3本飲んだ後、会場に1本だけ用意されていた一升瓶(約1.8リットル)の日本酒をほぼ独占して飲んでいた。納会開始から1時間が経過したころには、上司である部長から飲酒のペースが速いことを指摘され、自制を促されたにもかかわらず飲み続けた。このような過度な飲酒行為は特別な事情がない限り、業務上の必要性がないのに行われた私的行為とみなされる可能性が高い。また。懇親・慰労のため短時間で開催された納会の目的に沿わないことは明らかといえる。そのため急性アルコール中毒になってしまったのはAさんの個人的な行為が原因であって、納会に参加したこと自体が原因とはいえない。と判断されたものとみられる。

 2.会社責任になった事例

会社責任となった事例

会社の責任となった事例に、テレビ局の番組作成スタッフが海外ロケ中に現地の人々を招いて会合へ出席し、現地の人々の気分を害さないために勧められるまま飲酒して死亡したケースで労災認定されことがあるようです(ホットスタッフ事件=東京地方裁判所 平成26年3月19日判決)

このときは業務上行われた会合の目的として現地の人々との親睦を深め、特別な撮影の許可を取ることが含まれており、その目的を達成する過程で飲酒を繰り返さざるを得なかったとして「業務遂行性」と「業務起因性」が認められました。会社の営業活動の中で、接待や取引先との酒席を設ける時などは注意が必要になります。過度な飲酒の強要や取引先を喜ばすために一気飲みを行うなど無理な飲酒は控えるようにしましょう。会社命令で不適切な接待等を行った場合、会社の責任が問われる可能性があります。

3.今回のまとめ

近年、いわゆるアルコールハラスメントへの世間の目は厳しさを増しています。厚生労働省も「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表し飲酒によるリスクを広く国民に知ってもらおうとしています。普段から従業員の健康の促進に励むことはもちろんのこと、会社行事であろうとなかろうとお酒の席では飲酒のリスクに留意して、飲酒による事故やアルコールによる健康障害の未然防止に努めることが肝要です。また万一に備えて、アルコールハラスメント等の雇用トラブルに備える保険や労災認定されてしまい労災訴訟に発展した時に対応できる使用者賠償保険などの用意も大切になります。

 

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