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工事中の賠償事故は突然に起こる 「建設業経営者が知っておくべき工事賠償責任と損害保険の重要性とは」

建設業における工事は、社会インフラや住環境を支える重要な仕事である一方で常に一定のリスクもございます。注意深く安全管理を徹底し、経験豊富な職人さんが作業を行っていたとしても、工事現場には予測しきれない出来事が起こることがあります。特に工事中の事故によって第三者や施主に損害を与えてしまった場合、その責任は会社の経営そのものを揺るがす問題へと発展することも少なくありません。今回はこの工事中に第三者や施主の財物、身体に損害を与えてしまった場合の事業者の法律上の賠償責任とそれに伴う損害保険の関係について取り上げていきます。
【目次】
1.工事中に実際に起こりやすい賠償事故の事例とは
2.工事で起きた事故に備えるための損害保険の種類とは
3.今回のまとめ
1.工事中に実際に起こりやすい賠償事故の事例とは
それでは実際に起こりやすい工事の事故について挙げていきます。
足場や資材の落下による第三者被害
足場の組立てや解体時に強風で部材が落下し、近隣住宅の外壁や屋根、駐車中の車両を破損させてしまう事故がございます
塗装・防水工事による汚損事故
養生が不十分な状態で作業を行った結果、塗料や粉じんが飛散してしまい、周囲の建物や車両、洗濯物などを汚損してしまうケースも少なくありません
重機作業中の物損・設備損傷事故
バックホウやクレーンなどの重機操作中に、フェンスや電柱、埋設の配管を損傷してしまい、高額な復旧費用が発生してしまう事例もございます
工事賠償事故が経営に与える影響とは
工事中の賠償事故は、単なる修理費の支払い責任で終わるとは限りません。事故によって営業停止になってしまう休業損害のリスクもあり賠償金額が想定以上に膨らむ可能性もあります。
元請・下請による関係での賠償責任の考え方
下請業者が事故を起こした場合の責任
事故を直接起こしたのが下請業者であったとしても、施主や第三者から見れば、工事全体の責任は元請会社にあると判断されるケースが一般的です。
元請会社が負うリスクの現実
下請との責任分担が確定する前に、元請会社が賠償金を立て替える必要が生じ、資金繰りに影響を与えることもあります。
2.工事で起きた事故に備えるための損害保険の種類とは
工事を行う建設業者さまが検討すべき損害保険は大きく分けると二つございます。
賠償責任保険
工事中または工事が原因で、第三者の身体や財物に損害を与えた場合の賠償責任を補償する保険(請負業者賠償責任保険)。事務所や倉庫などの施設管理に起因する事故を補償する保険(施設賠償責任保険)。この二つの保険はセットで賠償保険として販売している保険会社もあるので併せて検討されることが多い保険です。
業務災害総合保険
仕事中や通勤中に従業員(または下請けが作業中に)ケガや病気、死亡してしまった場合に、労災保険だけでは足りない部分を補うための保険です。国の労災保険では「最低限の補償」が中心で、実際の治療費以外にも発生する休業中の生活費、会社としての見舞金、遺族への補償は十分とは言えません。これを補うのが業務災害総合保険です。また万一の重大災害の際に使用人から訴えられるリスクをカバーする使用者賠償責任保険がセットとなっていると安心です。
これらの保険について、「元請会社がすでに加入しているから大丈夫」と考え、下請の立場で加入しないまま仕事をしているケースも見受けられます。万が一事故が発生した際、補償の中心となるのはあくまで元請会社です。その場では元請に対応してもらい、結果的に助かったと感じることがあるかもしれません。ただし、その事故対応がきっかけとなり、「リスク管理が十分ではない会社」という印象を持たれてしまう可能性も否定できません。一度失った信頼は簡単には取り戻せず、その後も同じ仕事を継続して請け負える保証はございません。また、事故の内容によっては、元請の保険だけでは補償範囲が及ばない場合や、後日、下請側にも費用負担や責任が求められるケースもございます。その際、自社で保険に加入していなければ、突発的な支出が経営を大きく圧迫することになりかねません。だからこそ、元請・下請という立場に関わらず、それぞれの企業が自社の責任として必要な保険に加入しておくことが重要です。保険への加入は「万が一のため」だけではなく、元請から選ばれ続けるための信頼づくりであり、安定して仕事を受け続けるための経営基盤でもあります。事故が起きたときに誰かに頼るのではなく、自社で責任を持って対応できる体制を整えておくことが、これからの建設業には求められているのではないでしょうか。
3.今回のまとめ
工事中の賠償事故は、いつ、どの立場でも起こり得ます。たとえ元請けが保険を完備していても、それに頼るだけでは将来の仕事や信頼は守れません。だからこそ、元請、下請を問わず、それぞれの企業が責任をもって必要な保険に加入しておくことが、安心して工事を続けるための土台となってくれると考えます。
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