お知らせ・コラム
下請を抱える建設業が使用者賠償責任保険に加入する意味とは

建設業において「現場での安全管理」は、どれほど注意を払っていても完全に事故をゼロにすることはなかなか難しい課題だといえます。特に元請として複数の下請業者を抱えている場合、現場では多種多様な会社・作業員が入り乱れる環境となりリスクも複雑になります。そのような状況だからこそ、使用者賠償責任保険への加入は、単なる「保険の一つ」ではなく、会社経営そのものを守るための重要な手段となります。
【目次】
1.建設業で使用者賠償責任保険が必要な理由とは
2.一人親方や下請けにたいする賠償リスクとは
3.今回のまとめ
1.建設業で使用者賠償責任保険が必要な理由とは
建設現場では、どれほど念入りに安全対策を行っていても、事故の可能性を完全にゼロにすることは難しいものです。特に元請として下請業者を複数抱えている場合、現場には多様な会社・職人が出入りし、それぞれの役割や責任が入り混じるため、リスクの所在がさらに複雑になります。そんな中で、会社としてどこまで責任を負うべきか、事故が起きた際にどう対応すべきかという問題は、経営者にとって避けては通れないテーマです。こうした現場の実情を踏まえてかんがえると、使用者賠償責任保険への加入は、もはや「任意の選択肢」ではなく、企業の存続を守るための重要な備えと言えるようになってきています。まず、誤解されやすい点として、労災保険に加入していれば会社の責任はすべて解決する、と考えてしまうケースがあります。しかしながら労災保険はあくまで国が作業員に対して行う補償であり、会社が負う「損害賠償責任」まではカバーしていません。事故のあと、被災した本人やそのご家族から「安全配慮義務を果たしていない」と主張され、会社に対して高額な賠償請求が行われることは、決して珍しい話ではありません。実際、ニュースや裁判例でも、数百万~数千万円の賠償が命じられるケースが増えており、その負担が事業経営に重大な影響を与えることは容易に想像できます。
2.一人親方や下請けにたいする賠償リスクとは
特に下請業者を抱える建設会社の場合、事故時の責任の所在が曖昧になりやすいという特徴があります。例えば、作業員が別会社の方であっても「誰が指示をしたのか」「現場を統括していたのはどの会社か」という点が重視され、最終的には元請側が責任を負うと判断されることが多くあります。現場では自然発生的に指示が飛び交うため、「指示したつもりはないが、結果的にそう見なされてしまう」という事態も起こり得ます。※元請責任リスク
また、最近増えてきていますのが、一人親方や常用下請の事故に対する賠償請求です。一人親方であっても、現場の実態として社員同様に作業していると判断されると、会社側の安全配慮義務が問われます。たとえば足場の一部に不備があったり、熱中症への対策指示が不十分であったりすると、その責任が元請側に及ぶことがあるのです。こうした場合、「一人親方だから関係ない」という考えは通用しません。実際の判例でも、一人親方の事故で元請が賠償を命じられた例は複数存在し、現場の管理体制が不十分とみなされれば、会社が責任を問われる可能性が高まります。このように、建設業は労災が多いだけではなく、事故後に会社が負う責任が思っている以上に幅広く、重たいものになりがちです。使用者賠償責任保険は、この会社側の賠償リスクを補うための保険であり、労災保険ではカバーしきれない「企業としての責任」に備えるための手段です。単なる金銭的な補償だけでなく、弁護士費用や示談交渉の費用など、事故対応に必要なさまざまな支出も補償対象となるため、万が一の際には非常に頼りになる存在です。またさらに多くなっていますのが、元請企業が下請に対し「労災の上乗せ保険への加入証明書」の提出を求めるケースです。保険加入が取引条件の一つとして扱われることも珍しくありません。その中にはケガによる死亡保険の金額や後遺障害の金額、使用者賠償責任保険の金額が表記されます。安全意識の高まりや社会的責任の強化に伴い、企業としてどこまでリスク管理ができているかが信頼の判断材料になっているというのもあり、使用者賠償責任保険へ加入していること自体が、取引先からの信用向上にもつながり、営業面においてもプラスに働くことが期待できるでしょう。
3.今回のまとめ
事故は、一瞬の油断や予期せぬ状況から突然起こります。しかし、事故後に会社が負う責任や経済的負担は、その瞬間だけでは済まず、長期間にわたって企業経営に圧し掛かることになります。経営者としてもっとも避けたいのは、一度の事故をきっかけに会社の財務が大きく揺らぎ、これまで積み上げてきた事業が崩れてしまうことではないでしょうか。そのような最悪の事態を避けるために、使用者賠償責任保険は重要な役割を果たします。特に下請を抱える建設業では、複雑な現場構造ゆえに事故責任が想定以上に広がる可能性が常にございます。だからこそ、この保険は「加入しておくと安心」というレベルではなく、会社を守るための“経営リスク管理の基盤”として位置づけるべき存在であると言えます。
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