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解体業者向け保険の必要性とは?事故例から学ぶリスクと対策

解体工事は「建物を壊す」シンプルな作業に見えますが、実際には第三者への被害や隣家の損傷、作業員の労災事故など、多くのリスクを抱えています。万が一の事故が発生すれば、数百万円単位の賠償や企業存続に関わる問題へと発展しかねません。そこで本記事では、実際に起きた事故例を交えながら、解体業者が加入すべき保険の種類や選び方について解説していきます
【目次】
1.解体工事に潜む事故例
2.解体業者に必要な保険種類
3.今回のまとめ
1.解体工事に潜むリスクと事故例
解体業者が直面する代表的なリスク
解体工事は建物を壊すだけの単純な作業に思われがちですが、実際には多くのリスクを伴います。例えば、瓦礫の落下や重機の操作ミス、さらには粉じんやアスベストによる健康被害など、現場特有の危険が存在します。特に市街地での解体では、第三者への被害や隣接する建物への損傷といったトラブルが発生しやすく、業者は常に大きな責任を負っています。解体業は「危険と隣り合わせの仕事」であることを踏まえ、予防策と同時に、万一の際に備えた保険加入が欠かせません。
実際に起きた事故例
事故例1:飛散した瓦礫が通行人に直撃
ある市街地での解体工事中、建物のコンクリート片が歩道に落下しました。たまたま通行していた歩行者に直撃し、骨折を負わせてしまう大事故に発展。工事業者は数百万円規模の損害賠償を請求され、企業としての信頼も大きく損なう結果となりました。
事故例2:重機による隣家の外壁損壊
狭い敷地で重機を操作していた際、バックホーのアームが隣接する住宅の外壁を破壊。修繕費だけで数百万円にのぼり、業者は大きな経済的負担を強いられました。工事の進行も一時的に中断せざるを得ず、スケジュールにも悪影響が及びました。
事故例3:ガラが飛んで隣家に賠償
コンビニを解体中に隣接する家にガラが飛んでしまい、壁やカーポート、自動車を汚損しまった。解体工事中の事故で一番多い事故が、ガラが飛んで周りの家や車に傷を付けてしまう事故です。当然注意して作業を行っていると思いますが、養生の隙間から飛んだり、想定よりも遠くまで飛ぶこともあるので注意が必要です。
事故例4:重機が転倒し大損害
3階建て家屋を解体中に大型の重機が転倒、隣家の塀と屋根、さらに電線をなぎ倒してしまった。隣家への賠償はもちろんのこと、電気会社への賠償や停電させてしまったことによる近隣施設への賠償責任も問われることがあります。この事故では、重機自体のエンジンも壊れてしまい数百万円の修理費が必要となりました。
上記のような事故は、いくら注意していても完全に防ぐことは難しいものです。しかし、万一の際に保険へ加入していれば、金銭的な損失や企業存続へのダメージを最小限に抑えることができます。つまり、安全管理と保険の両立こそが、解体業者のリスクマネジメントにおいて重要な鍵となるのです。
2.解体業者に必要な保険の種類
賠償責任保険
賠償責任保険は、第三者に対してケガを負わせたり、他人の財物を壊した場合の損害を補償します。前述の「瓦礫の落下」や「隣家の損壊」などは、まさにこの保険でカバーできる典型的な事例です。特に市街地や住宅街での工事では、第三者被害のリスクが高いため、十分な補償額を設定しておくことが重要です。
労災保険・上乗せ労災
解体工事に従事する作業員は、高所作業や重機操作など、労災リスクの高い業務に携わっています。労災保険は法律で義務付けられていますが、それだけでは十分にカバーできない場合もあります。そのため、多くの業者は「上乗せ労災」に加入し、死亡や後遺障害といった重大事故に備えています。従業員を守ることは、企業の責任であると同時に、働き手の安心にもつながります。
重機や車両に対する補償
現場で使用している重機自体が壊れてしまった場合に備えて、自社の重機であれば動産保険で準備し、借用している重機であれば、受託物に対する補償を準備しておく必要があります。賠償保険の特約でカバーできることもありますが、重機ごとに保険加入の有無を確認しておく必要があります。作業で使うトラック等も自動車保険に加入しておく必要があります。
保険選びのポイント
保険加入にあたっては、以下の点を確認することが大切です。
■工事規模に見合った補償金額を設定しているか
■下請け業者を使用する場合、その範囲もカバーされているか
■保険会社がリスクコンサルティングや事故時のサポートを提供しているか
適切な保険を選ぶことで、解体業者は不測の事態にも柔軟に対応できる体制を整えることができます。
3.今回のまとめ
解体工事は一見単純な作業に見えても、実際には 第三者への被害・隣家の損傷・作業員のケガ など、数多くのリスクを抱えています。実際に発生した事故例からも分かる通り、損害額は数百万円単位にのぼるケースも少なくありません。こうしたリスクに備えるためには、
賠償責任保険(対人・対物事故への備え)
労災保険・上乗せ労災(作業員の安全を守る)
重機や車両に対する補償(経済的損失のカバー)
といった保険を組み合わせ、万全の補償体制を整えることが不可欠です。ただし、騒音問題・ほこり・振動問題など保険で対応が難しいクレームや問題も発生しやすいので、問題が発生した後の事後対応でなく、工事前に事前に近隣への挨拶や説明なども重要となります。解体業者が信頼される事業を続けていくためには、事故を未然に防ぐ努力と同時に、「保険によるリスクヘッジ」が欠かせません。安全と安心を確保することで、顧客からの信頼を獲得し、事業の安定した成長へとつながるでしょう。
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