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自転車も違反で罰金?改正道路交通法の注意点

自転車も違反で罰金?改正道路交通法の注意点

近年、日本では自転車に関連する交通ルールの取り締まりが強化されています。この背景には、自転車利用者の増加とそれに伴う交通事故の増加、歩行者や他の交通利用者とのトラブルの増加が挙げられます。ここでは、罰則強化の概要とその目的、具体的な内容について説明します。

【目次】

1.自転車も車と同じ

2.罰則強化と自転車関連の保険

3.今回のまとめ

 

自転車も車と同じ

10歳の子どもが自転車で信号無視をして車と衝突し、過失割合が100%と判断されたという事故がありました。この結果、保護者に賠償責任が生じる可能性があります。(以下:2024.11.18産経新聞)10歳児童が運転する自転車と乗用車の衝突事故で、過失割合は自転車が100%―。修理費用を巡る訴訟で、こんな判決が下された。

■3つのポイント

事故現場は信号機のある交差点。男性が運転する乗用車の対面信号は青を示していた。向かって左側に塀があり、見通しは悪い。男性はアクセルペダルを踏まず、徐行して進入。すると左側から赤信号を無視した10歳児の自転車が飛び出してきて、車とぶつかった。車はほぼ停止状態だったため、児童にけがはなかった。乗用車の運転手は児童側に修理費用を求めて提訴。大阪簡裁は「本件事故の原因は児童にある」との判断を示し、児童側の過失を認定した。判決のポイントは3つ。①乗用車側が交差点の手前で速度を落とし、徐行していた点。②ドライブレコーダーの映像から認定した児童側の運転の状況だ。自転車は歩道上を徐行せずに走行し、児童は前方の信号が赤であることを確認しなかった。③車側の事故の予見可能性。この点について裁判所は、現場が見通しの悪い交差点で、赤信号を無視して自転車が飛び出してくることを予見できるとはいえないと指摘した。児童側は判決を不服として控訴したが、大阪地裁で行われた控訴審でも「児童と男性の過失割合は100対0」と認定された。児童側は上告している。自転車は道路交通法上「軽車両」として位置づけられていながらも、違反の取り締まりや交通事故では過失上で優遇されてきました。しかし10歳といえども交通ルールを守る義務があり、信号を守るのは当然です。信号無視という行為は重い過失とされるため、過失割合が100%と判断されるのは法律的には妥当と言えます。今回はドライブレコーダーの映像から状況が確認できましたが、無かったのならまた違う判決になっていたのかもしれません。

罰則強化と自転車関連の保険

2024年11月から、自転車に関する道路交通法が改正され、罰則が大幅に強化されました。主な内容は以下の通りです。

ながらスマホの禁止と罰則強化

自転車運転中のスマートフォンの使用が全面禁止となりました。通話や画面注視を含み、運転中はハンズフリー装置を使用しない限り通話も違反です。違反した場合、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。事故を引き起こした場合はさらに重く、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

飲酒運転に対する罰則強化

自転車の酒気帯び運転のほか、酒類の提供や同乗・自転車の提供に対して新たに罰則が整備されました。

違反者・・・3年以下の懲役または50万円以下の罰金
自転車の提供者・・・3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒類の提供者、同乗者・・・2年以下の懲役または30万円以下の罰金

 

自転車運転者講習の義務化

3年以内に危険行為を2回以上行った場合、講習の受講が義務付けられます。講習を怠ると5万円以下の罰金が科されます。

今回の改正は、自転車関連の事故増加を背景に、利用者の安全意識向上を目的としています。これにより、運転時の注意が一層求められるようになります。愛知県では、自転車に係る交通事故を防止するため、「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を2021年3月に制定し、2021年10月から自転車損害賠償責任保険等への加入を義務と規定しました。自転車損害賠償責任保険等とは、自転車の利用によって他人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障することができる保険又は共済のことです。自転車損害賠償責任保険等には、いわゆる「自転車保険」のように、自転車専用の保険商品だけでなく、自動車の任意保険、火災保険、傷害保険の特約や付帯保険、共済、会社やPTA等の団体保険、クレジットカードやTSマーク(点検整備済証)に付帯する保険など、様々な種類があります。まずは、ご自身やご家族の加入状況を確認しましょう。企業においても、通勤や業務中の移動の際に従業員が自転車を用いるケースがあるかと思います。「個人賠償責任保険」に加入していても、業務(事業活動)中に起こした自転車による損害賠償事故は、補償の対象とはなりません。業務に自転車を利用される場合には、事業者用の賠償責任保険等へのご加入をご検討ください。例えば…

・自転車を利用して銀行等に行っている

・自転車を利用して顧客等の訪問を行っている

・荷物等を自転車で運んでいる

※運んでいる荷物は補償されません

従業員が自転車の交通違反を犯して取り締まられた場合、警察に呼び止められて業務が滞ってしまうおそれがあるほか、酒気帯び運転では車両等を提供した者・酒類を提供した者・飲酒をすすめた者にも罰則が適用されます(企業の場合は代表者などが処罰されます)。また、取り締まりの事実が大々的に報道されると、企業としての社会的評価が損なわれてしまうかもしれません。道路交通法の改正は、企業の営業活動には直接関係が無いようでも、間接的には影響を及ぼす側面があります。事業者は、

・通勤や業務中の移動に自転車を利用している従業員に対して注意喚起をする

・酒気帯び運転についての従業員教育を行う

・酒類を提供する飲食店では、運転者でないことの確認を行う

などの対応を行うことが望ましいでしょう。

今回のまとめ

自転車は便利で環境に優しい移動手段ですが、免許が不要で子供も使用できるため、教育や環境整備が安全確保の鍵となります。悲しい事故が起きないよう、まずは大人が交通ルールを理解し子供の手本となるよう知識を深めることが大切です。地域によっては自転車講習会のようなイベントを定期的に実施していることもあるので、積極的に参加してみるのもいいと思います。家庭、学校、地域、行政が一丸となって自転車を安心して利用できる環境を整えていくことが大切です。

 

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