お知らせ・コラム
著作権の侵害にご注意ください
「著作権」はご存じの通り自分の著作物を勝手に他人に利用されない権利です。時代にあわせて改正を繰り返し、令和5年法律第33号として公布された「著作権法の一部を改正する法律」の改正事項の一部は令和6年1月から施行されています。多くの企業や個人事業主がブログやSNSを活用しているという現在、「知らないうちに著作権を侵害していた」というリスクを避けるため、著作権について改めておさらいしておきましょう。
【目次】
1.著作権侵害の罰則
2.改正著作権法の概要と注意点
3 . 今回のまとめ
著作権侵害の罰則
「著作権」は知的財産権のひとつです。産業財産権である「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標権」は登録することで権利が発生しますが、「著作権」は著作者が著作物を創作した時点で自動的に発生しますが、これは国際ル-ルでもあります。「著作権登録制度」という制度がありますが、産業財産権のように登録によって権利が発生するわけではありません。登録することで、著作権関係の法律事実の公示や著作権の移転時に取引の安全を確保するなどの法律上の効果を生じさせるための制度となっています。
著作物(著作権法第10条)には、
- 小説、脚本、論文、講演に関するもの
- 音楽に関するもの
- 舞踊(ダンス等)や無言劇に関するもの
- 絵画、版画、彫刻など美術に関するもの
- 建築に関するもの
- 地図、学術的な図面、図表、模型など図形に関するもの
- 映像に関するもの
- 写真に関するもの
- プログラムに関するもの
に加えて、翻訳・編曲などの二次的著作物(第11条)や事典・辞書などの編集著作物(第12条)、データベ-ス著作物(第12条2)などもあります。ただし、以下については著作権の対象となりません(第13条)。
- 憲法その他の法令
- 国や地方公共団体、独立行政法人の告示、訓令、通達など
- 裁判所の判決、決定、命令など
- 上記の翻訳物や編集物で国や地方公共団体、独立行政法人が作成するもの
また、第119条から124条には各権利に対する罰則が記載されています。特に注目すべきは、法人の代表者、使用人が著作権法を侵害した場合は行為者だけでなく法人に対しても罰金刑(3億円以下の罰金)が科せられるという点です。
※文化庁ホームペ-ジ改正法Q&A(3)著作権保護の実効性の確保参考資料【刑罰規定全体の改定内容】より
改正著作権法の概要と注意点
第211回通常国会において「著作権法の一部を改正する法律」が成立し、令和5年5月26日に公布されました。今回の改正では著作物の公正な利用と著作権を適切に保護するため、以下のような制度が創設されました。
著作物等の利用に関する新たな裁定制度の創設
過去の作品や一般の人が創作したコンテンツ等の円滑な利用を図るため、集中管理がされておらず、その利用可否に係る著作権者等の意思が明確でない著作物等について、文化庁長官の裁定を受け、補償金を支払うことで、時限的な利用を可能とするとともに、手続の簡素化・迅速化を実現すべく、新制度の手続の事務を文化庁長官による登録や指定を受けた民間機関が担うことができるようにする。
立法・行政における著作物等の公衆送信等を可能とする措置
立法・行政のデジタル化への対応を進めるべく、著作物等について、著作権者等の許諾なく立法・行政のための内部資料として必要な公衆送信等をすることができるようにするとともに、迅速・的確に審査を行う必要性が高い特許審査等の行政手続や行政審判手続についても、公衆送信等をすることができるようにする。
海賊版被害等の実効的救済を図るための損害賠償額の算定方法の見直し
著作権侵害に対する損害賠償請求訴訟における著作権者等の立証負担の軽減を図るため、著作権法における損害賠償額の算定方法を見直すことが定められました。
※文化庁【著作権法の一部を改正する法律の概要】
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r05_hokaisei/pdf/93912401_01.pdf
今回のまとめ
ブログやSNSにおいてWEB上の画像を勝手に利用する、人物の写り込んだ写真を無断で使用する、自分や会社のアイコンに有名人やキャラクタ-の写真を使用する、私用としてではなく、文章や楽譜などを大量にコピ-して第三者に渡すといった行為は権利侵害となります。特に会社や事業主としてプログやSNSを使用している場合は注意が必要となります。故意の権利侵害は問題外ですが、企業や個人事業主で販売した商品やサービス(ホームペ-ジ等)などが思わぬところで第三者の知的財産権を侵害してしまったという場合に、損害賠償金や争訟費用を補償することができるプランがあるのをご存じでしょうか?知的財産権を保護する法律は複雑であり、訴訟は長期化する傾向にあります。結果として損害賠償責任がない、ということになったとしても高額な争訟費用がかかります。販売した商品が知的財産権を侵害しているとした差止めを請求されるケースもあり、差止請求にかかる争訟費用が発生する可能性もあります。知的財産権を侵害していないことを証明するには第三者の権利をもれなくチェックする必要がありますが、簡単なことではありません。権利侵害についての知識を社内で共有し、最新の注意を払うとともに損害保険を活用することも有効です。権利侵害について気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にご相談ください。
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