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PL保険だけで大丈夫ですか?リコールに対する保険について

PL保険だけで大丈夫ですか?リコールに対する保険について

令和3年6月1日から食品等の自主回収を行った場合の届け出が義務化されました。食品による健康被害の発生を防止するため、事業者がリコールを行う場合に行政への届出が義務付けされました。食品、飲料品、化粧品など製造・販売や飲食業を営む企業で、食中毒が発生してしまったり、異物混入事故が発生してしまった場合には被害者への対応も必要ですが商品のリコールや回収などを行う必要があります。

通常のPL保険(生産物賠償保険)では、特約を付帯しない限りリコール費用などを補償することはできません。今回は、リコールなどによる商品回収の保険などについて触れていきたいと思います。

【目次】

1.実際に発生した異物混入事故

2.生産物品質補償について

3.今回のまとめ

 

実際に発生した異物混入事故

☆わずか10日で売場から消えた「ペヤング事件」

インスタント焼きそばの定番商品「ペヤング」を生産している、まるか食品(群馬県伊勢崎市)は、2014年12月ひとりの消費者がツイッターに投稿したゴキブリ混入の写真をきっかけに、1日40万食の生産を長時間にわたって停止すると決定した。

事件の流れ

・2014年12月2日:消費者がツイッターでゴキブリ混入写真を投稿

・同年12月3日:消費者が保健所とまるか食品に連絡、まるか食品は消費者に写真の削除を依頼

・同年12月4日:まるか食品は混入の可能性が低いとしつつ対象4万6000個の自主回収を発表、同時に生産を止める

・同年12月11日:全工場の停止と販売休止を発表、大手スーパーなどが商品を撤去し始める

・同年12月12日:流通業者からの返品が殺到する

わずか10日間で小売店の棚からペヤングが消えてしまいました。

(東洋経済 参照)

☆雪印乳業食中毒事件

平成12年6月に雪印乳業(株)大阪工場製造の低脂肪乳などにより食中毒事件が発生しました。6月27日に大阪保健所に最初の食中毒患者の届出がありました。

調査の結果、脱脂粉乳が停電事故により汚染され、それを再溶解して製造した脱脂粉乳を大阪工場で原料として使用していたことがわかり、その脱脂粉乳に黄色ブドウ球菌が産生する毒素(エンテロトキシン)が含まれていることが原因でした。

事件直後の対応に手間取り、商品の回収やお客様・消費者への告知に時間を要したため、被害は13420人に及んでしまいました。この事件によって、社会に牛乳、乳製品を始めとする加工食品の製造に不信と不安を抱かせる重大な事故となってしまいました。

異物混入事件や食中毒が発生した場合には被害者への対応だけでなく、商品の回収や原因の調査、消費者への説明など想像上以上に時間と労力がかかります。また、対応を誤ってしまうと社会的信用も失うことになります。

リコール回収費用保険について

リコール回収費用保険は、食品、化粧品、医学部外品等の製造・販売や飲食業を営む企業の皆さまが万一のリコール等によって被る損害に備える補償です。生産物に起因する賠償リスクの補償と組み合わせることにより、より手厚い備えになります。

☆主な対象業種 ※引き受け業種は食品関係などが中心の下記の業態となります。保険会社により引き受け内容は異なります。

①食品、飲料品、化粧品、医学部外品の製造・加工業者

②食品、飲料品、化粧品、医学部外品を扱う輸入販売業者・卸売業者、小売業者等

③飲食店

☆補償内容

第三者による異物混入事故
第三者(従業員を含みます)の害意ある行為により、生産物に対して異物混入脅迫が行われた場合、または異物を混入されたものもしくはその恐れがある場合に備える事が出来ます。

例)販売しているお菓子に毒物を混入したという脅迫電話があり、至急回収することになった。

偶然な汚染事故
製品企画書等で含有を予定していない物質の混入や含有が禁止されている物質の混入等の偶然な異物混入、食品のポジティブリスト違反、食品への食中毒菌の混入が発生した場合に備える事が出来ます

例)提供した食材に黄色ブドウ球菌が見つかった。このままだとお客様が直中毒になってしまう危険性がある

・工場のラインで輪ゴムが誤って食品に紛れ込んだことが判明し、社告を掲載し、回収することになった。

生産物の容器・包装および表示の瑕疵による事故
賞味期限等の誤表示・表示漏れ、成分等の誤表示・表示漏れ・法令等に定めがある場合の表示順序の誤り、容器・包装とは異なる内容物の封入・梱包、健康被害を生じさせる容器・包装の瑕疵などに備えます。

例)賞味期限の印字を誤ってしまい回収した

☆生産物賠償(PL保険)とリコール費用との違い

リコール費用保険では、上記の青い部分の補償が可能となります。回収に要した費用、喪失利益、安全宣言の費用、専門家への相談費用、検査分析の費用等、争訟費用等が補償の対象となります。

今回のまとめ

食品販売・製造を営む企業では、ほぼすべての企業で生産物賠償保険(PL保険)に加入していると思います。しかしリコールや回収費用の保険の加入率はPL保険に比べてまだまだ低いと言えます。また、リコール費用の内容も実際に被害事故(食中毒や身体を損傷する事故)が発生しないと使用できないものから、実際の被害事故が発生していなくても異物混入や成分や賞味期限の誤表示などでもリコール費用がお支払いできるものあります。保険会社や各社の保険商品により補償内容も大きく異なりますので気になる方は、ぜひ一度、保険会社や保険代理店などにお問い合わせください

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