お知らせ・コラム
製造業さま向けの高額賠償リスクに対応する損害保険とは
モノ作りが盛んな愛知・岐阜・三重・静岡の中部地方は他の地域に比べて製造業に従事する方の割合が高く、製造業の会社も上場しているような大手企業から中小零細企業まで大小様々な会社が存在しています。
今回は製造業さま向けの第三者賠償保険について触れていきたいと思います。企業活動を行ううえで様々なリスクが存在しますが、製造業でしっかりと第三者賠償保険にご加入されている企業様の割合は他の業種(建設業や飲食業)に比べて少ないように感じます。
PL法の関係でPL保険にはほとんどの製造業の企業様でご加入されておりますが、その他どのような保険が必要なのか?製造業の企業活動におけるリスクに対応する保険について順番にご紹介していきます。
【目次】
1.企業のリスクに対応する損害保険・賠償保険の種類とは
2.火災事故を起こし3億円近い賠償請求を受けた事例とは
3.今回のまとめ
企業のリスクに対応する損害保険・賠償保険の種類とは
製造業の賠償保険で真っ先に思い浮かぶのは、冒頭でも少し触れましたがPL保険と呼ばれている生産物賠償保険かと思います。製品や商品の製造責任にかかわるリスクに対する保険ですが、取引先からの要望などでPL保険に加入しているケースも多いと思います。一般的にはPL保険の他に・施設賠償保険・業務遂行中の賠償保険などが必要保険と考えられます。企業様向けの賠償保険でも補償範囲や補償内容などに違いがありますので補償内容について見ていきましょう。
1.PL保険(生産物賠償責任保険)
製造または販売した製品や行った仕事の結果が原因で他人の生命や身体を害する人身事故や、他人の財物を壊したりするような物損事故に対して損害賠償請求がなされたことによって、法律上の損害賠償金や争訟費用等の損害を被った場合に保険金をお支払いします。
保険金のお支払い例
・冷温風機から出火し店舗兼住宅の建物と家財が全焼した。メーカーがリコールを実施したが未回収のまま使用されていた商品から出火したものと考えられメーカーが賠償責任を負った。
・清涼飲料水のビンが破裂して、子供が破片で失明した。清涼飲料水のメーカーとビンの製造元が賠償責任を負った
2.施設賠償責任保険
工場や店舗など会社が所有・使用していたり管理している建物や施設が何らかの理由による欠陥や・不備がきっかけで他人にケガをさせてしまったり、他人の所有物を破損してしまい法律上の賠償責任を負った場合に保険金をお支払いします。
保険金のお支払い例
・建物に設置している看板が劣化しており風で飛ばされて、隣の家の壁にぶつかり壁に穴を空けてしまった
・工場の作業中に出火し、自社の建物を全焼したうえに隣の会社の建物など近隣の建物にも延焼してしまった。近隣の会社などから損害賠償請求を負った
・来客者が階段で転倒し頭を打ち後遺障害を負う事故が発生。足を滑らせた原因は階段が汚れて滑りやすかった為だと損害賠償請求を受ける
3.業務遂行中の賠償責任
仕事の遂行中や仕事に付随して日本国内で一時的に行う商談等の営業活動による対人・対物事故が発生し被保険者が損害賠償責任を負った場合に保険金をお支払いします。
保険金のお支払い例
・自社の敷地内にてフォークリフトで作業中に来客者に衝突。来客者が負傷し損害賠償請求を負った。
・自社製品を納品中に取引先の建物の壁に誤って荷台をぶつけてしまい壁を損壊させてしまった。
最近の保険商品では、生産物賠償保険と施設賠償・業務遂行中の賠償責任がセットになっている商品が多いですが生産物賠償保険(PL保険)のみを補償している契約も散見されますので一度ご確認ください。
火災事故を起こし3億円近い賠償請求を受けた事例とは
施設賠償責任保険の保険金をお支払いした事例のご紹介になります。
・ガラス製品製造業が焼却場の火の粉から延焼して3億円近い請求をうける
事故の概要
自社の従業員が廃材を敷地内の焼却スペースで燃やしていた際に火災が発生。隣接企業などに延焼して損害を与えた。
酒瓶の入ったケースを積み上げたパレットを台風に備えてフォークリフトで移動させる作業と同時並行で木製パレットの廃材を焼却スペースで燃やしていた。
火を使用している事もあり、焼却スペースの周囲で作業を行い、度々気をかけていたものの目を離している間に火の粉が3メートル程離れた木製パレットに引火し燃え広がった。
風が強かったため火の広がりが早く初期消火を断念して消防に通報した。
延焼先からの損害賠償請求額
隣接企業(リース業者)設備・休業損害等 2億5100万円
隣接企業(金属製品製造)商品等 2330万円
公共物光ケーブル・道路 230万円
その他被害者 被害者見舞費用 30万円
合計 2億7690万円の損害賠償請求を受ける
最終的には一番請求額の大きかったリースレンタル業者の営業損害の金額を立証する資料が無く大幅に減額された為、総額で9700万円の損害賠償金のお支払いで決着しております。
個人であれば火災を起こした際に、重過失や故意でなければ失火法により法律上の賠償責任を免れることが可能です。しかし昨今の失火法の判断は企業に安易に失火法の適用を認めないケースが多いようです。また台風接近により風が強くなる予想がつく事、火元から目を離している点、安全性が確保できない焼却設備だった事などから企業側の責任を免れることは難しい事案だったようです。
今回のまとめ
ここ数年、企業の経営者さまから自社の看板が飛んでしまったり、屋根が飛んでしまい近隣の建物にぶつかり損害賠償請求されたら補償されるのか?とご質問を受ける事が増えました。近年の異常気象の影響もあり、台風などで看板や屋根が飛んでしまうご心配をされている方の割合が増えたように感じます。また隣接する建物がある場合などは、万が一の火災の延焼などで数億円の損害賠償を受ける可能性もございますので是非一度、賠償責任保険の補償内容のご確認などを行うことをお勧めしております。
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