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ヒューマンエラー『12の原因と3つの対策』を知り尽くし、水道施設工事の安全をまもる

ヒューマンエラー『12の原因と3つの対策』を知り尽くし、水道施設工事の安全をまもる

水道施設工事業とは、上水道、工業用水道などの取水、浄水、配水等の施設を築造する工事または工業下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事のことをいいます。家やビル、工場などの配管工事とはちがい、水道施設工事業は基本的に浄水場や下水処理場内での設備工事の事をいいます。そんな水道施設工事業においても労災リスクは潜んでいます。

今回は危険予知トレーニングを参考にしながら、この業種ならではの労災事故について取り上げていきます。

【目次】

1.水道施設工事業とはどんなものか?

2.水道事業において気を付けるべき点とは?『ヒューマンエラー12の原因と3つの対策を知る』

3.水道施設工事において作業中に予想される不安全行動を要チェック!

4.今回のまとめ

 

水道施設工事業とはどんなものか?

まず、この業種について、どのような工事があるのかを簡単に解説していきます。

『水道施設工事』は「上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道、もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事」とされています。

なかなか難しいワードも入っていますので、それぞれ下記に記載します。

上水道とはなにか

一般に引用可能な水の公共的な供給設備一般を指します。上水道には単に『水道』という呼び方もあり、下水道や中水道などとの区別を強調する場合に上水道と呼ばれることが多いです。

下水道とはなにか

主に都市部の雨水(うすい)や汚水(おすい)を、地下水路などで集めたのち、公共用水域へ排出するための施設・設備の集合体であり、多くは浄化などの水処理を行います。

水道施設とはなにか

水道法において、水道のための取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設および排水施設のことをいいます。

 

上記をふまえて、簡単にまとめますと、水道施設工事は自治体が管理する上下水道との接続等を行う工事、というとわかりやすいかもしれません。

水道事業において気を付けるべき点とは?『ヒューマンエラー12の原因と3つの対策を知る』

日本水道協会の報告によると、水道事業において頻発する事故を公表しています。

代表的な頻発事故

・設備事故

落雷事故、薬品の注入不良や漏えい事故、保守点検時のヒューマンエラーによる事故

・管路事故

機械掘削による管路の損傷(もらい事故)、施工不良、ヒューマンエラーによる事故、サンドエロ―ジョンによるガス管等の損傷

※サンドエロ―ジョン現象とは

水道管から漏水して噴出した水に付近の土砂が混ざり、他企業管にジェット状に当たることにより他企業管を摩耗し、最終的に穴をあけてしまう現象です。

・工事事故

「挟まれ・巻き込まれ」、「転落・墜落」などの労働災害、重機等による埋設物の破損事故

・水質事故

油脂類・薬品類の流入、自然現象に伴う臭気異常

・その他一般事故

水道施設内の作業に伴う労働災害、消火栓等の維持管理作業に伴う労働災害、ヒューマンエラーによる仕切弁等の操作ミス

上記の頻発して起こる事故を見ますと、ヒューマンエラーによる事故が目立ちます。

ヒューマンエラー12の原因とは

①無知、未経験、不慣れ

作業者が作業や現場環境に不慣れで、作業の危険が何処に潜んでいるか気付かず発生する事故。

【ポイント】

未経験者がいることを全現場従事者に知らせることも重要。

②危険軽視、慣れ

十分な現場経験等から、慣れによる安易な気持ちで作業を行ったり、好奇心旺盛で自分を守る意識が欠落、危険を軽視し発生する事故。

【ポイント】

危険軽視する労働災害が非常に多い。「これくらいの高さなら安全帯をしなくても大丈夫」「重機の作業半径内に立ち入っても平気だ」「アウトリガーを張り出さずに作業を行ってしまえ!」「すぐに埋め戻すから土留支保工は不要だ、、」上記のような軽視をするのではなく、意識を変える。

③不注意

作業者が、1つの作業に集中して他のことに不注意になってしまい発生する事故。

【ポイント】

建設現場では不注意によるヒューマンエラーも頻発。人間は一つのことに集中すると他のことに不注意になる。言い換えると、他のことに不注意にならないと一つのことに集中できない。作業に集中すればするほど、安全に注意が払えなくなる。

④連絡不足

元請け業者から協力会社、または、1次協力業者から2次協力業者への指示などが曖昧で、指示の受け手が正確に理解しないまま作業に臨んだため発生する事故。

【ポイント】

報告・連絡・相談『ホウレンソウ!』は業務において重要。

⑤集団欠陥

工期に余裕が無い等、現場に携わる者全員が工期を守ることを優先し、不安全行動も仕方がない雰囲気を作り発生する事故。

【ポイント】

日本人は目標が決まると、それに向かって邁進してしまう特性がある。これが集団欠陥。突貫工事等、工期が非常に厳しい場合、現場全員が工期を最優先させ、不安全行動やむなしというムードになることがある。

⑥近道・省略行動本能

人間には効率的に物事を進めたい本能がある。本能に従い、作業者が近道や面倒な手順を省略し発生する事故。

【ポイント】

近道・省略行動本能とは、面倒な手順を省略したい等、効率的に物事を進めようとする本能、時に不安全行動につながる。・足場の階段の使い勝手が悪ければ建枠が階段代わりに、渡り桟橋に、、、・不便を感じれば、切梁上が通路代わりに、、、対策はこの本能が起こらないよう使い勝手のよい仮設通路足場等の計画を立てること。

⑦場面行動本能

人間には、瞬間的に注意が一点に集中すると、周りを見ずに行動する本能がある。本能に従い、不安全行動を取り発生する事故。

【ポイント】

場面行動本能とは瞬間的に注意が一点に集中すると周りを見ずに行動してしまう本能。・例えば脚立上での作業。バランスを崩し脚立が倒れそうに。その瞬間、道具箱を放り投げ、飛び降りれば事なきを得た。しかし、場面行動本能が働き、道具箱を落とすまいと姿勢を瞬間的にとってしまい墜落、、、

⑧パニック

非常に驚いたり、慌てた時は脳が正常に働かずミスを犯しやすい。作業者に限らず、職長がパニックに陥り指示ミスや言葉の省略により発生する場合もある。

⑨錯覚

合図の見間違い、指示聞き間違い等の五感による間違い。またはど忘れ、思い込み等脳の情報処理の際の間違いで発生する事故。

⑩高年齢者の心身機能低下

加齢に伴い足腰が弱ったり、視力やバランス感覚が低下する。これを自覚しないままで作業を続け発生する事故。

【ポイント】

中高年は、足腰の衰え、視力やバランス感覚の低下等、心身の機能低下によりヒューマンエラーを起こすことがある。中高年が、「まだまだ若い者に負けない」と気概を持つことは大事であるが、一方で、心身機能低下を自覚せず作業を続け労働災害が発生することが懸念される。

⑪疲労等

疲労により注意力が低下し、自らの意思に反して発生する事故。

⑫単調作業による意識低下

単調な反復作業により作業員の意識レベルが低下し発生する事故。

 

では具体的にヒューマンエラーを防止するためにはどのようにしたらよいでしょうか?

3つのヒューマンエラー防止対策について

ヒューマンエラーの防止対策①

1.「危険軽視、慣れ」による事故

・作業者の教育がもちろん第一

・効果に限度があり、設備面の対策も打ち出しにくい

・現場の基本ルールを定め、作業者に遵守させる

・現場関係者の良好な人間関係の構築

・作業者の自主的な安全活動を促進させること

ヒューマンエラーの防止対策②

2.「不注意」による事故

・作業に集中させる以上、本質的に防止は難しい

・事故につながらない設備面の対策を図る

・現場の基本ルールを定め、作業者に遵守させる

※重機類を扱う現場では、重機が稼働・移動エリアと、作業員の作業エリアを分割。そのうえで重機誘導員を配置して重機を監視する

ヒューマンエラーの防止対策③

3.「無知、未経験、不慣れ」による事故

・教育訓練の充実

・作業者の技量に応じた適正な配置

4.「近道・省略行動」による事故

・仮設計画の段階で、足場計画を十分に検討して「近道・省略行動」を起こさせない足場計画を立てる

上記の内容にてヒューマンエラーの防止を図っていきましょう。

また、日常の安全活動に対する指導ポイントとして

・新規入場者の教育は、作業現場の実務を見学させて、数か月後に再教育を実施する。

・KY(危険予知)活動は、作業内容と作業に伴う危険がイメージできるよう作業現場で実施する。

・現場での声がけや、休憩時のコミュニケーション等で良好な人間関係を構築する。

・現場における的確な指示につなげるため、作業打ち合わせは現場リーダーが牽引させる。

・作業者の安全意識向上の活動を、表彰制度を設けて評価する。

このような内容をもって指導していきましょう。

※公益社団法人 日本水道協会 資料参照

水道施設工事において作業中に予想される不安全行動を要チェック!

水道管交換のための道路掘削工事の場面では、作業中におこりうる危険や不安全行動が発生します。

例えば、、

起こりうる危険について

・作業者は保安帽のあご紐を締めているが、ゴム長靴を履いているため、掘削土石や支保工材・管類の落下物で、足の甲などを損傷する危険がある

・高圧電力架線に掘削機が接触し、感電する

・地下埋設のガス・電気・水道配管などの試堀を実施していないと、ガス、または水道管などを破損させ、噴出・インカ爆発する危険性がある。

このような危険の可能性があります。

では危険をなくすためにはどうすればよいでしょうか?

8つの対策方法

①掘削する前に、掘削深さに対応した土止め支保工法の施工計画・設置手順を検討し、部材を準備し支保工を施工する。

②水道管・土止工部材のつり荷作業には、クレーンまたはクレーン機能付き掘削機を使用するほうが安全性が高い。

③掘削機の作動時は、手元作業者は、機械躯体の旋回範囲外へ退避する。

④抗底への昇降はしごは、囲柵・土止め支保工などに固縛する。

⑤許可届を実施し、許可条件を順守して、見張・合図・誘導者などを配置して施工に臨む。

⑥手元作業者は、安全靴・革手袋を着用する。

⑦掘削機の運転者に対する合図誘導者を配置する。

⑧事業者は、掘削作業主任者を選任配置し、掘削箇所近接の架線・地下埋設物などを事前調査し、「施工計画書・作業手順書」を作成して、周知・順守して施工する。

※安全スタッフ危険予知訓練[KYT]シート参照

 

他業種にもいえることですが、この水道施設工事においても任意労災や工事賠償保険は必要といえます。ヒューマンエラーの防止を図りつつ、いざというときの備えを用意しましょう。

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今回のまとめ

工事をするのも人であるなら、事故が起きるのも原因は”人”となります。

ヒューマンエラーについて現場に携わる全員が把握し、対策することで少しでも事故を防ぐことは可能です。出来ることはすべてやりつくして、安全意識を高めていくことが経営者の使命ともいえます。また企業防衛の意味でも福利厚生の意味でも損害保険をご準備されることをお勧めします。それらは金銭面でのサポートだけではなく、いざというときの初動についてもサポートしてくれるはずです。身近な保険代理店の担当者にお尋ねしてみてください。

 

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