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【建設ICT活用も手段のひとつ!】機械器具設置工事業での労災事故を未然に防ぐ
機械器具設置工事とは建設現場で組み立て等を必要とする機械器具の設置工事をする業種です。建設現場で複数のものを組み立てて連動させる工事をおこなうこの業種では、機械に挟まれる死亡災害の報告が上がってきています。複雑な操作の必要な機械を扱う際は、安全管理体制と必要保険を整え、未然に事故を防ぐことと起きてしまったことに対する備えが必要となります。今回は悲しくも起きてしまった事案を紹介しながら解説していきます。
【目次】
1.機械器具設置工事業は機械による挟まれ事故が多い
2.ICTを活用することで災害リスクの低減につながる
3.今回のまとめ
機械器具設置工事業は機械による挟まれ事故が多い
機械器具設置工事では現場で機械を組み立てたり連動させるような複雑な作業をおこなうため、その機械操作のミスによる事故が起きています。
実際の事故事例をみてみましょう。
点検作業中に機械に挟まれて死亡 合図を定めなかった業者が書類送検【令和元年7月】
状況
富山・魚津労働基準監督署は、点検作業中の安全対策を怠ったとして、機械器具の設置工事、修理などをおこなっている(有)S社とその代表を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で書類送検しました。
平成31年3月、同社の労働者が出血性ショックで死亡する労働災害が発生しています。
社外で行う搬送機の点検作業中、労働者が搬送機の点検用スペースである踊り場に乗り込むため、上半身を踊り場の柵内に入れていたところ、別の労働者が搬送機を運転。それにより搬送機と建屋の柱の間に身体を挟まれて死亡事故となりました。※労働新聞社参照
原因
同社は搬送機を運転させる際に、運転開始時の一定の合図や合図者を指名していなかったことが原因で起きた事故となります。
エレベーターのカウンタウエイトと搬器に挟まれ窒息死
状況
作業責任者Bが休養で早退したため労働者Aが一人でレールブラケットの清掃・塗装作業を行うこととなり、作業していました。その後、同じ現場で作業をしている作業員Cが、工具を借りるために、エレベーターのところまで来たところ、3階位置で停止していた搬器内で被災者Aがうつぶせに倒れているのを発見しました。発見されたときの状況は、被災者Aはカウンタウエイトの枠と搬器の端との間に挟まれた状態であり、ヘルメットと作業服、安全靴もはいていました。状況から推察すると、被災者Aは1人で作業を行うにあたり、搬器を作業床とし、仮設のポータブルスイッチを用いて搬器を移動させながら作業を進めていました。数か所のレールブラケットの清掃を終え、ポータブルスイッチを操作して搬器を上昇させたところ、上方から下降してきたカウンタエイトと搬器との間に挟まれ被災したものと思われます。※職場のあんぜんサイト参照
原因
エレベーター昇降路内の作業であるにもかかわらず被災者が開口部から身体の一部を出したまま搬器を移動させたこと。
当日の作業変更にあたり作業打ち合わせ等を行わなかったこと
現場に従事して2か月という経験の浅い労働者を一人で作業させたこと
上記の2件の死亡事故をみますと、あらかじめふせぎようのある内容であることがわかります。企業の経営者様はあらゆるリスクを想定し、それを未然に防ぐ努力が必要となります。
ICTを活用することで災害リスクの低減につながる
建設業労働災害防止協会(建災防)のサイト
(https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/ict/use/equipment_works/kikai/index.html)
をみますと、多くの設備工事、機械器具設置工事の業者様でICTを利用している方の事例一覧がございます。
※ICTとはInformation and Communication Technology 情報通信技術のことで、近年、コンピュータや通信技術などの情報化分野で急速な技術革新が進んでおり、建設業界でもこれらの情報通信技術をかつようした合理的な生産システムの導入・普及の促進により、技術集約的産業へ、より魅力的な産業へと変革していくことが期待されています。
ICT活用事例
ウェアラブルグラス活用遠隔作業支援システム
ウェアラブルグラス(WG)活用し、現場と事務所あるいは本支社間で音声と映像をリアルタイムに同時共有することで、現場状況の確認や作業指示などの現場支援を行なう。タブレットだと操作時に片手がふさがってしまうが、WGはメガネ型端末でハンズフリーになるため効率よく作業することが可能です。
VR活用安全教育(高所作業者用)
事前に作成した実建物および施工状況の3Dモデリングをもちい、実際に危険な作業内容を仮想空間上で体験する。VRになれていない人は酔ってしまうことがあるので注意が必要ですが、教育・訓練の充実を図ることが可能です。
WEBカメラによる現場状況把握
24時間現場を監視することは困難なため、職員が事務所に帰った際でもカメラを操作・監視することができるWEBカメラを現場に設置する事で、作業員行動や安全設備の不良個所などを事務所等から遠隔操作で監視することで省力化が可能です。また、インターネット回線を使用するので、スマホ等で手軽に監視ができる。
上記事例はICT活用の事例の一部ですが、さまざまな方法で昔では考えられなかったような新しい手法が試されています。そのような機器の導入やいざ事故が起きた際の任意労災や工事賠償保険の準備など、“備えあれば憂いなし”ということでできることから取り組んでみるのも良いですね。
建設業の保険のことならこちらのまとめ記事がオススメです。ぜひご覧ください!>【まとめ記事】これを見れば「建設業」で”今”必要となる保険がわかります!!”約10年”の実績をもつ名古屋の損害保険代理店が徹底解説
建設業28業種全体についておまとめしたこちらの記事も良ければご確認ください>【保険代理店”目線”のまとめ記事】28種類もある建設業の種類について「建設業許可」で分類される各業種を徹底解説!
今回のまとめ
今回の事例で紹介したように、機械器具設置工事業としては機械に挟まれるような事故が多いです。危険な労災事故は死亡事故へと発展し、経営をゆるがすような賠償事案になってしまうこともあるかもしれません。上記に挙げたICT導入や損害保険の充実によって、万一のリスクを少しでも軽減していくことが求められています。今一度現状の安全配慮への備えを見返してみましょう。
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