お知らせ・コラム
【板金工事業・屋根ふき工事】死亡事故に発展する恐れのある業種では任意労災が必要です
建設業28業種の中の板金工事業について取り上げます。
金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製の付属物を取り付ける工事のことを言います。板金工事と聞くと車の板金屋さんのイメージが強いかもしれませんが、ここで取り上げる板金工事業とは建築板金のことで、外壁の金属サイディングの取り付け工事や雨どいやダクトの工事、台所や厨房・食品工場のステンレス内装張りなどの施工を請け負う業種となります。
【目次】
1.屋根以外の場所の板金施工を板金工事業といいます【屋根工事と板金工事業の棲み分け】
2.具体的な労災事故の事例からリスクを考え任意労災でカバーする
3.今回のまとめ
屋根以外の場所の板金施工を板金工事業といいます【屋根工事と板金工事業の棲み分け】
板金工事とは、金属薄板等を加工して工作物に取付け、または工作物に金属製等の付属物を取り付ける工事のことです。板金とは薄く平らに形成した金属のことをいい、様々な製品に使用されています。建設業許可事務ガイドラインによると、板金工事業の工事例として、板金加工取付工事、建築板金工事、カラー板金貼り付け工事、ステンレス貼り付け工事などを例示しています。注意点としては、屋根に関わるところの板金工事は「屋根工事」に該当します。屋根以外の場所で、板金の加工や取り付けを行う工事を「板金工事」と考えるとわかりやすいです。
具体的な労災事故の事例からリスクを考え任意労災でカバーする
では、実際に板金工事業や屋根ふき工事においてどのような事故が起きているのかを下記にて解説していきます。
①H30年9月スレート屋根踏抜きで死亡災害
長崎にあるN社では、工場におけるスレート屋根補修工事現場にて労災死亡事故が発生してしまいました。地上から高さ8メートル付近のスレート屋根上で労働者が補修作業を行っていたところ、屋根を踏み抜いて墜落してしまいました。
あらかじめ、墜落防止の措置を取っていなかったことが原因とされています。
このような事故を減らすために、幅30センチメートル以上の歩み板を設け、防網を張るなどの安全対策が必要です。
②H30年2月安全帯を使用させずに死亡災害
愛媛のS個人事業主は、労働者に高所作業をさせる際に安全帯を使用させずに死亡災害を起こしてしまいました。現場は地上からの高さ5.5メートル、傾斜48度の切妻屋根の上で作業中に墜落してしまったとのことです。
この案件についても、高所作業時に防網をはったり安全帯を使用しなかったことによるものです。
③H28年6月鉄板50枚が労働者に激突し死亡、板金加工業業者が書類送検
M社の自社工場内で55歳の男性労働者がクレーンを操作し、トラックの荷台に積まれた鉄板50枚を移動させていたところ、バランスを崩した鉄板に激突し労働者は死亡しました。鉄板は先端がツメの形になった「ハッカー」に玉掛けしていましたが、鉄板は包装紙で梱包された状態で、ワイヤーなどで固定されておらず、バランスを崩しやすい状態でした。
労働安全衛生法では、ハッカーを用いて玉掛けをした荷をつり上げられているとき、荷の下に労働者を立ち入らせてはならないと定めています。
今回のケースでは、同社の工場のクレーンはリモコンで操作しながら自身も移動する床上操作式天井クレーンであり、被災労働者は荷の下でリモコン操作をしていました。また、同法ではつり上げ荷重が5トン未満のクレーンを使う業務をさせる場合、特別教育を行わなければならないと定めていますが、被災労働者は特別教育を受講していませんでした。
①と②の屋根ふき工事においては墜落事故によるもの、③の板金業者においてはクレーンの操作による事故と内容に違いはあるものの、事故が起こると軽微では済まず、死亡に発展してしまっていることが特徴です。また、事故の起きた事例を見てみますと、どれもあらかじめ事故を防ぐための努力が欠けていた部分があり、普段からの心がけや対策が足りないように見受けられます。当然、死亡事故が起きた際は、遺族への慰謝料や労災訴訟に発展してしまうケースもあります。おもわぬ事故による数千万~億にいたる賠償金に対応が出来る様、使用者賠償保険付きの任意労災を準備しておくことも必要です。任意労災では事故が起こった際に払われる費用以外にも、事故時に相談できる弁護士を紹介したり、弁護士費用を賄える特約もありますので、保険加入の際は、事故を想定しながら必要な特約をチェックしていきましょう。
建設業に関わる保険ならこちらを見れば簡単解決!わかりやすいまとめ記事をご覧ください▶【まとめ記事】これを見れば「建設業」で”今”必要となる保険がわかります!!”約10年”の実績をもつ名古屋の損害保険代理店が徹底解説
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今回のまとめ
板金工事業も屋根ふき工事も、事故が起きればひとたび死亡災害になってしまう可能性が高いといえます。死亡や高度障害などの重大災害は、経営者にとっては、会社を訴えられてしまうリスクの高い事案ともいえます。そうならない為の事前の対策と、起きてしまった際のお金と相談先の準備として損害保険は有効です。任意労災というお守りを用意して、業務に関わる心配事を少しでも減らしていきましょう。
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