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【注意】足場組立時や足場作業中の事故も多い!建築一般工事業における労災とは
建築一式工事業の許可を取得している建設会社は、建築確認をともなう新築工事や大規模修繕工事などを請け負うことが出来ます。元請けの立場として、大工工事や屋根工事、内装工事、管工事、電気工事などの専門工事を行う業者さんを束ねて工事を行います。
建築一式工事業は足場を組み高所で作業が行なう事も多いので、大きな事故に繋がりやすいです。さらに元請けとして足場屋さんや塗装屋さん等に工事を発注して大規模な建設工事を行うので、専門業者である下請けの労災事故も元請けの責任となります。
今回は現場での労災事故に対する建築一般工事業における必要補償について触れていきたいと思います。
【目次】
1.足場での事故は足場組立時より作業中が多い
2.新築マンション建設現場での事故例
3.今回のまとめ
足場での事故は足場組立時より作業中が多い
平成29年に発生した足場からの転落死亡災害(31人)をみると大きくは下記の4つに分けられます。
①足場での作業中
②足場組立作業中
③足場解体作業中
④つり足場作業中
以上の4つです。
その中で死亡災害が最も多かったのが足場上での作業中に墜落したもので13人が亡くなっています。これらは足場内や足場近接部にできた開口部から墜落したものと手すりの隙間、メッシュシートを突き破ってなど組み上がった足場の上での作業中に起こっております。足場の組立中や足場の解体中も危険な作業となりますが、足場での死亡事故の割合として最も高い割合を占めているのは組み上がった足場の上で作業員が作業を行っている時に起こっております。
死亡事故以外にも、後遺障害や休業損害を伴う事故は死亡事故の何十倍の件数が発生しているので事故を起こさないための安全対策はもちろん万が一の備えとして保険等のご準備は必須となります。
特に建築一式工事業では、建物一棟の施工を請け負うことが出来ますので下請け会社としてたくさんの専門業者の方を使います。足場屋さん、塗装屋さん、防水屋さん、内装業さん、大工さん等の下請け作業員が作業中に事故を起こした場合には元請け責任が発生しますので補償範囲も補償内容もしっかりした保険に加入しておく必要があります。また下請けの専門業者にも事故の時に責任が発生しますので下請けや協力業者が保険に加入しているのか確認することも重要になります。次項では下請け企業にも責任が及んだ事例の紹介になります。
マンションの新築現場での事故例
マンションの新築現場で労災事故が発生し政府の労災支給以外に損害賠償金として
5502万3千719円を被災者に支払うとして示談した事故例です。
各自の負担金額
甲:38,523,719円 元請け 〇〇土木建築株式会社
乙:8,000,000円一次下請業者 株式会社△△
丙:8,500,000円二次下請業者 株式会社□□
三次下請けの会社は倒産し、4次下請業者にあたる作業員を雇用していた個人事業主とは連絡が取れず行方不明のため、3社で損害賠償金を支払い解決にあたりました。
事故の概要
外部足場の解体作業中に27段の足場を100トンクローラクレーンで吊り上げ、下部より解体しようとしたところ玉掛作業完了の確認を怠り作業を行い足場の一部が倒壊し作業員が足場の下敷きとなり死亡しました。
賠償金の支払方法
元請け業者である甲が全額を被災者らに対して支払い、乙および丙は甲に対して各自の負担額を期日までに甲の指定する銀行口座に振り込みで支払う事になりました。
また乙と丙が支払いを遅延した場合、残金全額に対して年5%の損害遅延金も負荷して支払う事としました。
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今回のまとめ
元請け責任として労災上乗せ保険等で政府労災とは別に賠償金の原資を準備することは非常に重要な事になります。また下請け企業で労災上乗せ保険等に未加入の企業がある場合、万一の重大災害の際に賠償金が経営を圧迫し、最悪のケースでは責任が取れずに会社が解散に追い込まれてしまう事もあります。
大手ゼネコンでは下請け企業に対して加入保険の確認を行っています。
自社はもちろん、下請け業者も労災上乗せ保険に加入する事により、万一の大きな労災事故の際に素早く賠償金を支払う準備が整うとともに、賠償金の自己負担分の支払いなどで自社や下請け会社の経営が傾くことも防ぐことが出来ます。
自社でしっかりとした保険に加入する事はもちろんの事、下請け企業や協力会社の保険の加入状況も確認することにより安心して仕事に打ち込めると思います。
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