名古屋市の損害保険・生命保険代理店なら保険ポイント「お知らせ・コラム」ページ

お知らせ・コラム

【事例解説】解散に追いやられてしまった下請け業者の悲劇『電気通信工事業における労災事故事例』

【事例解説】解散に追いやられてしまった下請け業者の悲劇『電気通信工事業における労災事故事例』

電気通信工事は情報通信設備に関する工事と捉えるとわかりやすいかと思いますが、LAN工事や携帯電話基地局工事、放送設備工事、設備機器の設置工事などを行います。

電気通信工事と電気工事は仕事内容が混同していることがあるので見分ける際には注意が必要となります。【工事の内容や必要となる資格によって分けられています。扱う電力の大きさが違うという点(割と大きめの電力は電気工事、割と小さめの電力は電気通信工事)】

実はそんな電気通信工事業さまで実際に起きた内容なのですが、仕事中の労災事故がきっかけで、会社が解散に追いやられてしまった事例がございます。

今回はそのような事例をもとに経緯と対策についてふれていきます。

【目次】

1.安全帯を使わなかったことで命を落とす労災につながる

2.解決までの経緯。作業員(50歳)の所属していた下請業社は解散!!【上乗せ労災の必要性3つのポイント】

3.今回のまとめ

 

安全帯を使わなかったことで命を落とす労災につながる

悲しい労災が起きました。

その経緯について説明していきます。

安全帯不使用で脚立から落下し頭部を強打して死亡

電気通信工事を営むA社の下請業者B社の作業員(50歳)が施主の工場内で照明器具を交換する作業中、高さ約3mの脚立から降りる際に足を踏み外して転落しました。

頭部を強打して急性硬膜下血腫、多発性脳挫傷を負い、事故から12日後に死亡しました。

事故内容

【今回の関係性】

元請企業→1次下請けA社→2次下請けB社[作業員が労災死亡]

・A社は元請企業の1次下請けで、作業員(50歳)は2次下請企業B社の従業員でした

・施主である機械部品製造会社の工場内において、作業員数名で高さ約3mの脚立を使用し、照明器具の取り換え作業を行っていました

・作業員(50歳)はヘルメット・安全靴を着用していましたが安全帯は着用のみでフックは掛けていませんでした。

・作業員(50歳)が脚立の下から8段目(高さ約2.5m)から降りようとした時に足を踏み外して落下し。頭部を負傷、12日後に死亡しました。

解決までの経緯。作業員(50歳)の所属していた下請業者は解散!!【上乗せ労災の必要性3つのポイント】

では、今回のケースでの解決までの流れを解説していきます。

①元請企業が政府労災を申請

②従業員(50歳)の所属企業B社(2次下請け)は任意労災未加入で本事故により解散(ポイント1上乗せ労災[任意労災]の重要性)

③政府労災以外に元請け企業とA社で合計3000万を支払うことで示談(ポイント2 誠意ある遺族対応)

④作業員(50歳)は外国籍の方だった為、約款に定める「遺族」の認定が難航(ポイント3 約款に定める遺族の確認)

⑤基本証明書と婚姻関係証明書を提出いただき、母親を遺族と確認

⑥A社は加入中の任意労災の死亡補償保険金の請求を行ない、自社負担分示談金1500万を支払った

解決までの対応のポイント

ポイント1 上乗せ労災(任意労災)の重要性

本件では政府労災からの給付以外にA社と元請け企業で合計3000万を作業員(50歳)の遺族に支払うことで示談が成立。元請け企業は任意労災保険に未加入だった為、自己資金で1500万円を用意した。

被害者の所属企業(2次下請け)に求められた負担額は不明だが同社も任意労災保険に加入しておらず本件が原因で解散した。

従業員や下請けさんが労災事故で重度の後遺障害や万一お亡くなりになってしまった場合、政府労災の給付以外に示談金が必要になります。

ポイント2 誠意ある事故対応

作業員(50歳)の遺族への対応において、当会社は元請企業と協力して積極的に補償する姿勢を示したため、労災訴訟に至らず早期に示談解決する事ができた。

死亡補償保険金で1500万円を付保していたので、誠意ある態度をとれたものと考えられる。

ポイント3 約款に定める遺族の確認

任意労災保険の約款上の遺族とは「労働基準法施行規則第42条から45条までにいう遺族補償を受けるべき者」と定めています。

遺族補償を受けるべき者は、労働者の配偶者。労働者の配偶者がいない場合は子、父母、孫、および祖父母で労働者の死亡当時に生計を一にしていた者になります。

また上記に該当する人がいない場合は、別に生計を立てている「子、父母、孫。祖父母、兄弟姉妹の順序」とされています。

作業員(50歳)には妻と子がおらず、生計が別の母親がいましたが外国籍であったため戸籍謄本で確認する事が出来ず領事館が発行する「基本証明書」と「婚姻関係証明書」を提出していただき母親が遺族にあたることを確認した。

通常、遺族への保険金の支払いに際しては、戸籍謄本や除籍謄本などの提出や遺族の実印の押印や印鑑証明の提出などご遺族からご用意して頂くものが必要になるので、ご遺族との関係がこじれてしまうと解決までの道のりが険しくます。

 

建設業28業種の中の他業種についてはこちらのまとめ記事もぜひご覧ください。▶【保険代理店”目線”のまとめ記事】28種類もある建設業の種類について「建設業許可」で分類される各業種を徹底解説!

建設業の経営者様が抱える悩みを保険で解決!こちらの記事でぜひご確認ください。▶【まとめ記事】これを見れば「建設業」で”今”必要となる保険がわかります!!”約10年”の実績をもつ名古屋の損害保険代理店が徹底解説

 

今回のまとめ

労災の上乗せ保険で死亡保険金や後遺障害補償保険金を用意することにより、万一の大きな労災事故に備えることが出来ます。示談金としてお支払いすることにより、労災訴訟などに発展する前に早期解決すことも可能となります。

特に余剰資金の少ない中小企業では適切な保険を準備しておくことにより、会社や社長をはじめとした経営陣をお守りすることが出来ます。

 

■お仕事中のおケガの保険や工事の賠償保険なら、建設業に詳しい株式会社保険ポイントへぜひご相談ください。名古屋を中心に地域密着にてわかりやすく丁寧にご案内いたします。弊社の事務所は名古屋市中区の大須に御座います。事前連絡によりご来社いただくことも可能です。もちろん相談は無料です。まずは気になっている点を私共にお聞かせください。

TEL▶052-684-7638

メール▶info@hokenpoint.co.jp

 

お電話でもメールでもどちらでもお待ちしております。