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建設業に潜む雇用リスクと損害保険の役割

建設業に潜む雇用リスクと損害保険の役割

日本の建設業は、長年にわたり社会インフラを支えてきた重要な産業です。道路、橋梁、建物といった物理的な構造物は、いずれも建設業に従事する方々の手によって形作られてきました。しかし、その現場には常に「人」が関わっているからこそ、「雇用」にまつわるリスクは避けて通れません。今回はリスクに備える経営戦略としての保険活用をテーマに取り上げていきます。

 

【目次】

1.建設業で起こりうる特有の雇用リスクとは

2.建設業で必要となる経営戦略としての損害保険の種類とは

3.今回のまとめ

 

1.建設業で起こりうる特有の雇用リスクとは

建設業では他産業と比較すると特有のいくつかの雇用リスクがあります。

第一に挙げられるのは労働災害リスクです。高所作業、重機の操作、重量物の運搬など、建設現場には物理的危険が常に存在します。厚生労働省の統計によれば、労働災害による死傷者数は建設業が常に上位を占めており、中小零細企業においては安全対策が不十分なケースも少なくないとあります。

第二に、非正規雇用や下請け構造による雇用の不安定性です。建設業では、一つの現場が終われば次の現場に移る「プロジェクト単位」の働き方が一般的です。正社員ではなく日雇いや契約社員として雇用される労働者も多く、雇用契約の継続性が担保されにくいのが現状です。このような不安定な雇用形態は、労使間トラブルや突然の離職、技能継承の断絶といった問題を引き起こすことが予想されます。

第三に、人材不足と高齢化による採用・定着リスクがあります。若年層の建設業離れが進む一方で、業界全体の高齢化は深刻です。これにより、企業は必要な人員を確保できず、現場の稼働自体が困難になるケースも見られます。加えて、外国人技能実習生の受け入れに伴う言語・文化・法律の問題も、見落とせないリスク要因となっています。

雇用リスクが経営に与える影響とは

これらのリスクが表面化したとき、経営にはさまざまな形でダメージが及びます。たとえば労働災害が発生すれば、作業停止による損失に加え、損害賠償、評判の低下、安全衛生対策の強化コストなど、二次的・三次的な損害が続く可能性があります。さらに労働基準監督署からの行政指導や是正勧告によって、事業継続そのものが難しくなるケースもあります。また、不当解雇やパワハラ・セクハラ等の労働トラブルに発展した場合、企業は訴訟リスクや損害賠償請求といった法的責任を負うことになります。こうした問題は、たとえ勝訴したとしても、企業イメージの悪化や採用活動への影響といった無形の損失を招きかねないといえます。

2.建設業で必要となる経営戦略としての損害保険の種類とは

これらの雇用リスクにどう対処すべきか。もちろん、第一優先として安全管理体制の整備、労働法令の遵守、人材育成といった「内部対策」が重要です。しかし、それでも「想定外」のリスクが現実となるのが現場の常です。その補完策として、損害保険の活用が非常に有効であるといえます。

使用者賠償責任保険

労働災害の発生により、企業が労働者から損害賠償を求められた場合に備えるのが「使用者賠償責任保険」です。これは、労災保険の給付とは別に、企業が法的責任を問われた際の賠償金や訴訟費用を補償するものです。特に、労災認定を受けた労働者が、企業に対して安全配慮義務違反を理由に民事訴訟を起こすケースは少なくありません。万が一に備えてこの保険に加入しておくことで、訴訟リスクに備えるとともに、企業としてのガバナンス姿勢を社内外に示すことができます。

雇用慣行賠償責任保険(EPL保険)

こちらは、パワハラ、セクハラ、不当解雇など、雇用に関わるトラブルによる訴訟や損害賠償請求に対応する保険です。従業員との間で何らかのトラブルが生じた際、たとえ企業側に重大な過失がなかったとしても、対応には相応のコストと労力がかかります。EPL保険は、そうしたリスクに備える心強いバックアップとなります。

業務災害総合保険(労災の上乗せ保険、任意労災保険)

これは労災事故に対してより幅広く対応する保険で、労災保険の給付対象外となるようなケース(通勤中の事故や、自社判断での見舞金支払いなど)も対象となるプランがございます。建設現場のようにリスクが高く、事故が発生した際の影響が大きい業種では、保険による「備え」はコスト以上の価値を持つことがあります。

保険は「守り」ではなく「攻め」の経営ツールです

一部の中小企業経営者の中には、「保険=コスト」という認識から、必要最小限の補償しか備えないケースも多いです。しかし、実際には保険は、万一のリスクを「外部化」し、経営の安定性を高めるための戦略的なツールであると考えます。特に人材獲得や従業員満足度向上の面においても、企業がどれだけ「従業員を守る体制」を整えているかは、重要な評価ポイントとなっています。さらに、適切な保険の加入は、元請企業や発注者からの信頼獲得にもつながります。建設業界においては、コンプライアンス体制や安全管理体制の評価が、受注競争に直結するため、保険によるリスク管理体制の整備は、企業価値そのものを高める要因となります。

3.今回のまとめ

建設業における雇用リスクは、単なる人事・労務の問題にとどまらず、企業の信用や存続に関わる重大な経営課題です。リスクは完全には消せませんが、「備えること」はできます。損害保険という外部リソースを戦略的に活用し、目に見えない不確実性に対して、見える形で備えていく。その姿勢こそが、これからの建設業に求められる「強い経営」の第一歩となるでしょう。

 

 

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