お知らせ・コラム
誰でも起こるヒューマンエラー

建設業や製造業をはじめ多くの現場や事業所では、設備や機械などハード面での改善が進み危険な設備が原因での労働災害は減少の傾向にあります。残る労働災害の発生原因は、ヒューマンエラーと言われております。行動災害といわれる労働者の作業行動を起因する災害の防止が掲げられており、代表的な災害の型として「転倒」や腰痛などの「動作の反動・無理な動作」を挙げていますが、こうした行動災害の原因にヒューマンエラーが大きく関係しています。いくら注意しても、ミスしないようにしても、ついつい人間はミスをしてしまうものです。エラーをするのは「悪」ではなく、人間が持っている特性だと考えて対策を講じる必要があります。(安全スタッフ 24年別冊付録参照)
【目次】
1.メカニズムを知って対策を
2.ヒューマンエラーの発生場面
3.今回のまとめ
1.メカニズムを知って対策を
誰にでもありがちなミスやエラーですが、笑ってすまされる程度ならともかく、人を負傷させたり、命にかかわることとなると放っておくわけにはいきません。とくに工場や建設現場などの産業現場では、危険と隣り合わせの状況があちこちで見られます。職場で作業中に起こるエラーは、取り返しのつかない事故や災害に結びつきかねない事から何としてもエラーを防がなくてはなりません。人間はなぜエラーをするのか、そのメカニズムを知って防止対策を立てることが重要になります。
ヒューマンエラーの12の原因
場面行動(場面に出合ったときに、本能的にとっさにとる行動)
近道・省略行動
不注意
危険軽視
無知・未経験・不慣れ
集団欠陥
パニック
錯覚
疲労・体力低下
単調による意識低下
コミュニケーションエラー
高齢者の心身機能低下
2.ヒューマンエラーの発生場面
1.「はずだ」は思い込み
このぐらいでいいだろう」「いつも作業しているからわかるはずだ」現場で作業する際に「~だろう」「はずだ」とういう言葉に取りつかれて指示・指導をしてはいないでしょうか。管理・監督者が起こしてしまいそうないかにもありがちなヒューマンエラーといえます。「それぐらいはできるだろう」「注意したはずだ」「教えたはず」というのは本人の思いこみにほかなりません。
自分の指示に固執しすぎない
指示伝達のヒューマンエラーを防ぐには言葉の復唱、指差し呼称、相互注意などが対策として挙げられます。また、管理・監督者は自分の経験に固執しすぎないように配慮したいものです。状況を白紙にして一から考える習慣やいつもと同じ方法でも状況によって再考することがエラー防止につながります。
2.毎日の繰り返しで「慣れ」が原因
毎日の繰り返しの行動のなかで、問題のない状態が長く続くと人間の心理として「このくらいは大丈夫だろう」と妙な自信がつきます。「高所作業で一時的な安全帯を使用しなくても落ちないだろう」とルールを破ったり、自動車の運転ならば「多少制限速度をオーバーしても事故になることはない」と禁止事項になっていても、問題のある行動をとってしまうことがあるのではないでしょうか。エスカレートすれば「おごり」にもなってしまい、問題行動をとっても改めようとしなくなることがあるかもしれません。今までの経験上、一度も災害が起こってなかったとしても、今後一度でも災害に遭えば取り返しがつかないことになります。危険を感じる能力が鈍くならないよう、作業や現場を「甘く見る」ことのないように緊張感を維持したいものです。
3.夏は暑さで集中力が散漫に
毎年、夏の暑さが厳しくなっているように感じます。猛暑で体力が消耗することはもとより、頭の回転が鈍くなり何事につけても集中を欠きがちです。 健康面では、食欲不振による栄養不足、夜に寝苦しくなることから睡眠不足に陥りやすくなります。エアコンの冷房は熱中症対策に効果的ですが、涼しい部屋と屋外への出入りが頻繁だと自律神経を乱して体調不良になることがあります。他の季節なら正常に働くはずの判断力、集中力、注意力が暑さによる生理的変調や体調不良で、意識や警戒心の希薄化につながります。心の緩みは単純ミスやヒューマンエラーの引き金になり、その結果、労働災害のリスクが高まることになるのです。暑さにより意識が散漫になるヒューマンエラーとしては「うっかり・ぼんやり」が挙げられます。「スイッチをオフにしたつもりがオンのままだった」「床の段差に気が付かず、つまずいて転倒した」など無意識が呼び込むミスが起きやすくなります。頭がボーっとした状態から意識をクリアにする方法としては、指差し呼称が効果的です。目、口、耳、腕、指を総動員することで脳を活性化し、注意力を高めます。
4.焦りは判断力を狂わせる
例えば建設業ならば、天候の影響などで工期が延びることがあり、工期が遅れそうな場合は、業務の遅れを取り戻すために進捗を急ぐことになります。このような時期こそ「焦り」によるヒューマンエラーに注意したいものです。仕事を何とか間に合わせなければという考えに頭が支配されると、焦りによるミスが誘発されやすくなります。心が焦っている状態だと、判断力や意思決定する機能を狂わせ、手順の省略や近道行動を引き起こしてしまいます。また、焦りの空気が現場全体を包んでしまうと組織全体が安全軽視に陥る「集団欠陥」としての減少が現れ歯止めが効かなくなります。なんらかの不備が生じたときは、工事を続けたくても勇気を持ってブレーキをかけることが大切です。
3.今回のまとめ
数十回のヒヤリハットが発生すると大きな事故が発生すると言われています。事故を起こさないように気を付けていても、ちょっとした気の緩みや工期遅れによる焦り、暑さや寒さ、体調不良等によりヒューマンエラーが原因の事故が発生してしまう危険性があります。万一の事故に備えて、自動車保険はもちろん、労災上乗せ保険や企業賠償保険などで備えておくことが大切です。保険の見直しや保険の内容等を知りたい方は、是非お問い合わせください。
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