お知らせ・コラム
建設工事の完成を請け負う営業 建設業と損害保険について
建設業とは、建設工事の完成を請け負う営業のことをいい、日本においては土木建築に関する工事で、建設業法に規定する建設工事の種類にある工事の完成を請け負う営業をいい、第二次産業に含まれます。今回はあらためて建設業とそれにともなう損害保険について解説していきます。
【目次】
1.請負契約を結ぶ建設業について
2.建設業における工務店と許可制とは
3.今回のまとめ
請負契約を結ぶ建設業について
建設業においては、発注者に注文を受けてから生産が始まり、発注者が施主となるため、建築物を「生産」するという意識は強めですが「販売」するという意識は薄いです。建設業において生産される建築物は、単品生産であり、多種多様な種類を持ち、生産される場所も異なります。また、建設業は土地に依存し、自然条件の影響を受けます。産業形態も複合化しており、総合組立産業としての側面も有しています。近年では大手ゼネコンを中心として、「受注から造注へ」の流れも生じています。建設業を営む企業の多くでは、自ら建売住宅や分譲マンションなどを建設して販売することも多いです。この場合は宅地建物取引業(不動産業)の免許も必要になり、また系列グループに不動産会社を有することも多いです。建設の事業においては、事業開始をもって労災保険関係が成立します。建設の事業においては労災保険の保険料を、元請負人において一括して申告納付することが義務付けられており(一定の要件を満たせば、手続きにより下請負人に保険関係を分割することが出来る)、事業所には労災保険関係成立票を見やすい場所に掲げることも法令によって定められています。法人個人を問わず、工事を請け負う実態であっても、請負契約でなければ建設業ではないので、工事内容にあわせて人数を計算し、単価×日数で労働力を提供するものであるなら一般的な雇用契約(従業員としての労働)、あるいは労働者派遣に該当し、建設業の範囲からは外れ、建設業許可の対象外となります。この場合は雇用保険や厚生年金、健康保険は元の業者の従業員としての加入が必要となります。
■どんな業種があるのか
建設業法上の許可は、建設工事の種類ごとに、それぞれ上欄に掲げる建設工事の種類と下欄に掲げる建設業に分かれています。国土交通省による工事内容例示参照。
■土木一式工事 土木工事業
■建築一式工事 建築工事業
■大工工事 大工工事業
■左官工事 左官工事業
■とび・土工・コンクリート工事 とび・土工工事業
■石工事 石工事業
■屋根工事 屋根工事業
■電気工事 電気工事業
■管工事 管工事業
■タイル・れんが・ブロック工事 タイル・れんが・ブロック工事業
■鋼構造物工事 鋼構造物工事業
■鉄筋工事 鉄筋工事業
■舗装工事 舗装工事業
■しゅんせつ工事 しゅんせつ工事業
■板金工事 板金工事業
■ガラス工事 ガラス工事業
■塗装工事 塗装工事業
■防水工事 防水工事業
■内装仕上工事 内装仕上工事業
■機械器具設置工事 機械器具設置工事業
■熱絶縁工事 熱絶縁工事業
■電気通信工事 電気通信工事業
■造園工事 造園工事業
■さく井工事 さく井工事業
■建具工事 建具工事業
■水道施設工事 水道施設工事業
■消防施設工事 消防施設工事業
■清掃施設工事 清掃施設工事業
■解体工事 解体工事業
建設業における工務店と許可制とは
工務店とは
法律上の厳密な定義ではありませんが、主に戸建住宅等を請け負う建築専門の地場産業の建設業者のことを、伝統的に工務店と呼ぶことが多いです。工務店は、個人やメーカー等から戸建住宅を請け負い、専門工事業者(いわば鳶、大工、左官、板金、電気、水道等の建築系の職人)の手配、管理その他工事全体を監督する役割を担います。戸建て住宅の建築の現場は、社長(親方)と職人が中心であり、社長(親方)には、職人の争いの仲裁をして、報酬の前金の都合をつけ、責任者として地域住民の苦情などに頭を下げて回る役割も求められることがあります。そのため信用が第一であり、人格者であることも求められます。大企業の役員がいうような現場主義とはことなり、現場主義でなければそもそも戸建て住宅の建築は不可能といえます。そのため、社長(親方)の目が届く範囲での規模のほうがうまくいくケースも多く、そのような形態の建設業者を工務店と呼び称されています。
許可制
建設業を行うには原則として請け負う工事の種類ごとに許可を受けなければなりません。請負として建設工事を施工する者は、「元請」「下請」ともに個人・法人の区別なく許可を受ける必要があります。下請から更に請負をする孫請(まごうけ)と呼ぶ2次下請、更に2次下請から次の下請に発注する3次下請けの曾孫請(ひまごうけ)以下の場合も同様です。従業員がおらず事業主ひとりだけで作業を行う建設業者もおり、この場合は一人親方(ひとりおやかた)と呼ばれます。
今回のまとめ
ものづくりの根幹に携わる建設業について触れてみましたが、建設業者や各種工事業者の身の回りには多くの損害リスクも潜んでいます。従業員や下請け様のケガのリスクや作業中や引き渡し後における損害賠償リスク、建設中の建物・資材などの工事対象物のリスクなどあらゆるリスクに対して、民間の工事保険で備えることも可能です。安心して業務が行えるようにぜひご準備されることをお勧めします。
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