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緊急支援活動中のリスクを知ろう

緊急支援活動中のリスクを知ろう

令和6年能登半島地震においても復旧活動に関するニュースが連日報道されています。大規模な自然災害時の復旧活動において、建設事業者はなくてはならない存在です。近年、地震や水害などの大規模な自然災害の増加に伴い、地元の建設企業で組織された建設業組合と防災協定を締結し、災害応急対策を実施する体制の強化を図る自治体も増加しています。今回は防災協定に基づいて緊急支援活動を行う際のリスクについての情報を改めて提供いたします。

【目次】

1.建設業等の法改正

2.緊急支援活動時のリスク

3 .  今回のまとめ

 

建設業法等の法改正

≪新・担い手3法≫

相次ぐ災害に対応する「地域の守り手」としての建設業への期待、働き方改革促進による建設業の長時間労働の是正、i-Construction推進等による生産性の向上など、業界として取り組むべき課題に対応するための「新・担い手3法」として、

【建設業法】2019年9月(一部規定)施行

【公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)】2020年10月施行

【公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)】2019年6月施行

が改正されました。

 

「災害時の緊急対応の充実強化、持続可能な事業環境の確保」が法改正の目的のひとつ

【建設業法】災害時における建設業者団体の責務が追加され、建設企業と地方公共団体等との連携を強化することが求められる

【品確法】発注者の責務として防災協定の締結、発注者間の連携が求められる

となっていることからも、防災協定の活用とともに防災協定に基づく活動が今後増えていくことが予想されます。防災協定に基づく支援活動としては、地震などの自然災害が発生した場合の緊急車両等が通行するための道路啓開作業とそれに伴う瓦礫処理作業が想定されます。さらに、家畜などからの伝染病を防止するための防疫作業や、豪雪地帯においては除雪作業が考えられます。※AIG損保「防災協定プランのご提案」より

緊急支援活動時のリスク

緊急支援活動中には様々な事故が発生する可能性があります。想定される事例をみてみましょう。

地震により倒壊した家屋からの人命救助の要請を受け、瓦礫の除去を行っていたところ、救助中に余震が発生し、吊上げていたがれきを要救助者の足に落としてけがさせてしまった
震災対応として仮設トイレの設置を行ったが、土台の固定が不十分であったため小さな余震で仮設トイレが倒れて付近にいた利用者がけがをした
道路啓開作業でがれきを道路脇に撤去したが規定よりも高く積上げていた状態で余震が発生し、積んでいたがれきが崩れて走行中の車両に接触、車両が損傷し運転者もけがをした
発災後の初日の作業を終えて啓開作業で積み上げた土砂や瓦礫の上に建機を停車させた状態で翌日の啓開作業の打ち合わせを行っていたところ、強度の余震が発生し、積み上げた瓦礫とともに建機が倒れ落ち、倒壊家屋の人命救助のために停車してあった緊急車両を損壊させてしまった
道路パトロールのためにドローンを使用して調査をしていたが、ドローンが落下して他の災害支援業者の従業員がけがをした
道路啓開作業中に異臭を感じたが、作業を継続して実施したため爆発事故につながり多数の負傷者が発生した
道路啓開作業のために車両の窓ガラスを破壊し移動させたが、破損個所をシートで覆うことを失念したため降雨により車内設備が損壊した

このように、緊急支援活動中に発生する事故は余震などの天災によるものだけではないということがわかります。ここで注意が必要なのは、国家公務員などは従事命令(業務命令)による災害対応において二次災害にあった場合は、法律の規定により公的補償を受けることができますが、建設企業が加入する労災の上乗せ保険や第三者賠償責任保険は、一般的には地震や津波などを原因とする事故の場合は補償されないという点です。※AIG損保「防災協定事故事例」より

今回のまとめ

自社で防災協定を締結している場合のほか、防災協定を締結した建設業団体の会員に属する場合も緊急支援活動に参加することがあります。これまでの震災、台風等での災害対応を踏まえて故意・過失(予見可能性、結果回避性)の有無が判断されることがあるため、緊急支援活動中に想定される天災による事故を防止するための災害対応マニュアル等の整備や見直しも必要です。そして建設業者の皆様が加入する労災上乗せ保険や第三者賠償責任保険は、一般的に地震・津波など天災を原因とする事故の場合は補償されないことがあります。また従業員以外のボランティア参加者等が現場で緊急支援活動中にケガをした場合についても対人事故(第三者賠償)として責任を負う可能性があります。防災協定を締結している、今後締結を検討しているという方は

労災上乗せ保険に関しては、従業員の皆さまの地震や噴火、またはこれらによる津波が原因の業務中のおケガ、ボランティア活動中に負ってしまったおケガなどを補償される特約が付帯しているかどうか
賠償責任保険については、防災協定に基づく活動中における地震、噴火、洪水、津波等の天災に起因した第三者への対人・対物事故に対して法律上の賠償責任が発生した場合も補償対象となっているか

をこの機会に確認してみてはいかがでしょうか。防災協定に関するリスク対策について気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にご相談ください。

 

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