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鋼構造物塗替塗装工事における事故事例と防止策について

鋼構造物塗替塗装工事における事故事例と防止策について

塗装工事における労災事故の中に有機溶剤中毒や一酸化炭素中毒などの中毒によるものがあります。今回は実際の事故事例を参考にしながら防止策について触れていきます。

【目次】

1.有機溶剤による建設労災事例とは

2.一酸化炭素中毒の事例

3.今回のまとめ

 

有機溶剤による建設労災事例とは

実際の塗装工事における事故事例をあげていきます。

有機溶剤中毒の事例

さび止め塗装作業中、3人倒れ1人死亡(愛知県西尾市)。平成29年2月25日、午後5時5分ごろ、愛知県西尾市小島町の安藤川右岸にある農業用水用の管の内部で、男性作業員3人が倒れているのを現場監督の男性が見つけ、3人は病院に搬送された。西尾署によると、塗装業の死亡が確認された。50歳くらいの男性が意識不明の重体、男性会社員は意識がもうろうとしているが軽傷だった。署によると3人は地下約3メートル、直径約1メートルの管の内部でさび止め塗装の作業をしていたという。現場監督を含めた4人は朝から現場近くで作業を開始。夕方になっても3人が戻らないため現場監督が管の中をのぞくと、3人が倒れていたという。消防によると、救急隊員が現場に駆けつけた時、菅の入り口付近ではシンナーのような臭いがしたという。元請けの担当者は、現場代理人1人だけ、塗装工事の経験が少なく、40年以上の塗装実績を持つ1次下請け会社の被災者に作業計画を任せていた。事故当日は開口部に送風機を置いて喚起しながら、30m先の管内で作業していた。ただし、有機溶剤を使用する際に必要な送気マスクなどの保護具は着用していなかった。

・ばく露防止措置

  • 作業環境の改善:密閉措置、局所排気装置の設置、全体換気装置の設置
  • 保護具対策(吸入防止):有機ガス用防毒マスクなど呼吸用保護具の着用
  • 保護具対策(接触・経皮吸収防止):化学防護服、化学防護手袋、化学防護長靴、保護眼鏡・保護面の着用

・労働衛生教育

  • 監督・指揮者・作業主任者技能講習
  • 作業者:特別教育に準じた教育

・作業環境測定

・特殊健康診断

○有機溶剤中毒・酸欠

推測される原因

  • 作業主任者の指揮管理が行われていなかったこと
  • 換気が不十分だったこと
  • 保護具等が使用されていなかったこと

主な対策とは

  • 作業主任者を選任し、指揮を執らせる
  • 作業前の酸素濃度測定を行う
  • 換気し、保護具も用意する

◇酸素濃度と酸素欠乏症の症状

酸素濃度

18%の主な症状

安全範囲の下限値。作業環境の連続換気、酸素濃度測定、呼吸用保護具の準備必要

16~12%の主な症状

脈拍・呼吸数増加、精神集中力低下、単純計算間違え、筋力低下、頭痛、耳鳴り、吐き気、チアノーゼ

14~9%の主な症状

判断力低下、発揚状態、不安定な精神状態(怒りっぽくなる)、ため息頻発、異常な疲労感、酩酊状態、頭痛、耳鳴り、吐き気、嘔吐、当時の記憶なし、傷の痛みを感じない、全身脱力、体温上昇、チアノーゼ、意識朦朧。墜落・溺死の可能性。

10~6%の主な症状

吐き気、嘔吐、行動の自由を失う、危険を感じても動けず、叫べず、虚脱、チアノーゼ、幻覚、意識喪失、昏倒、中枢神経障害、全身痙攣、死の危険

6%の主な症状

数回のあえぎ呼吸で失神、昏倒、呼吸緩徐・停止、痙攣、心停止、死亡

一酸化炭素中毒の事例

マンション外壁の吹付け塗装作業中にコンプレッサーの排気により一酸化炭素中毒

被災者は、鉄筋コンクリート造りのマンション新築工事現場で外壁の吹付塗装作業中、使用していた内燃機関を有するコンプレッサーの動作が停止した。そのためコンプレッサーを使用していた室内へ行き給油作業を行っていた際、室内に充満した排気ガスに含まれる一酸化炭素を吸引し意識を失って倒れた。別の作業者が発見したとき、被災者がしようしていたコンプレッサーは停止しており、燃料タンクのキャップが外され、燃料計は満となっていた。被災者は救急搬送されたが一酸化炭素中毒によりまもなく死亡が確認された。

原因

完全に密閉された室内で1時間以上コンプレッサーの運転を続けていたため室内の一酸化炭素濃度は1200ppmを超える高濃度であったと推測される。被災者はその場に倒れたまま20分程度経過したことで、蘇生できなかったものと推測される。

2自然換気が不十分な室内で、内燃機関を有するコンプレッサーを使用したこと

3作業者の一酸化炭素中毒に関する認識が低かったこと。

4当該作業に関して、リスクアセスメントが実施されていなかったこと。

一酸化炭素中毒の作業開始前・後や作業中における管理

○自然換気が不十分な場所では、CO発生機材を使用しない。

○やむを得ずCO発生機材を使用する場合は、換気を十分に行い次の事項を実施する。

作業開始前

一酸化炭素の発生の少ないCO発生機材を選択する。

作業開始前

呼吸用保護具が労働者の人数分以上あるかを確認する。

作業開始前

立ち入り禁止箇所の作業再開時には必ず一酸化炭素濃度、酸素濃度を測定し、一酸化炭素濃度の上昇等が確認された場合は換気を行う

作業中

継続的に換気を行う

継続的に一酸化炭素の気中濃度を測定する。必要に応じ、労働者に適切な呼吸用保護具を使用させる。

作業終了後

呼吸用保護具は作業後に十分に清掃または洗浄し、清潔に保管する。

今回のまとめ

塗装工事において有機溶剤中毒や一酸化炭素中毒についてのお悩みは尽きることがないかもしれませんが、万が一の場合に備え、損害保険でリスクをカバーするという考えもございます。保険代理店にぜひご相談ください。

 

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