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塗装・防水工事の事故の傾向と保険対応について

塗装・防水工事の事故の傾向と保険対応について

塗装工事と防水工事は建設業の中でも、比較的事故の発生頻度が高い業種と考えられています。非常に安全意識が高く賠償事故も労災事故も発生していない会社もありますが、屋外での作業がメインなので急な天候の変化や予想外の突風など外部的要因により大きな事故が発生してしまう危険性を含んでいます。特に足場上での塗装作業では、墜落の危険や塗料飛散の可能性も高まります。今回は塗装・防水工事での事故事例と保険対応について触れていきたいと思います。

【目次】

1.防水・塗装工事の賠償事故事例

2.労災事故で書類送検

3.今回のまとめ

 

防水・塗装工事の賠償事故事例

基本的に賠償責任保険では工事中の事故、引き渡し後の事故、受託物(預かり品やレンタル重機)、工事用物損害(自分の資材や建設途中の建物自体の補償)などに分けて保険の使用が可能なのか加入済み保険の内容と照らし合わせて判断します。工事保険(賠償責任保険)に加入しているからといって、工事中のすべてのトラブルに対応できるわけではないので、保険の加入の際には内容をしっかりとご確認ください。

防水・塗装工事の事故の傾向

対物事故が多く、防水工事は、工事中/引き渡し後の漏水事故が多く発生しています。塗装工事では塗料飛散事故など、高額事故の発生も多く被害者が多数になる傾向になります。

対物事故の事故事例(AIG損害保険株式会社の事故例集参照)

①工事中の事故 支払金額 51,404,156円

ビル新築工事現場で鉄骨の塗装をする際に養生もせずに高所作業車の上で吹き付け作業をした結果、強風で塗料が飛散して近隣に駐車中の車両250台を汚損してしまった

②引き渡し後 支払金額 10,674,998円

ビル外壁修繕工事中の引き渡し後に、外壁タイルの目地に注入した樹脂が既存のタイルと化学反応を起こし、この既存のタイルを変色させてしまった

工事中 支払金額 9,667,425円

マンション屋上の防水改修工事現場で、既存の防水シートをはがし新しい防水シートを貼る作業をしていたところ雨天となった。養生不足により雨水が侵入し、家財のクリーニング費用や仮住居の費用が発生した

引き渡し後 支払金額 5,697,770円

プールサイドの防水工事の引き渡し後に、施工の不備により防水層と既存シートの間に水が入り込み防水層と既存シートが腐食してしまった

引き渡し後 支払金額 4,895,255円

倉庫屋根塗装工事の引き渡し後に、ケレン処理が不完全であったことが原因で、アスファルト塗装が剥がれ落ち、隣接敷地内を汚損してしまった。

工事中 支払金額 3,744,268円

防水工事現場で台風の接近を予見出来ていたにも関わらず、工事現場の一箇所にまとめて保管していた工事に使用予定の断熱用シートに対する養生が不足していたため、強風で近隣に飛散し近隣の駐車車両と工事用資材(断念用シート)を破損させてしまった。

※断熱用シートは工事用物損害で補償

工事中 支払金額 2,787,532円

防水工事現場で、作業員が工具にこびり付いた付着物を落とすために。カセットコンロのバーナーで溶かしながらカッターで削り取っていたところ、側に置いてあった一斗缶の溶剤に引火して爆発し、屋上の換気用ダクトが燃えてしまった。

工事中 支払金額 131,210円

防水工事現場で、工具を誤って落下させ、下に駐車中の他人の車両のフロントガラスを破損させてしまった。

賠償保険の請求に関しては、いつ、どこで、どんな作業中に、誰が、誰のモノを破損させたのかなどの情報と損壊箇所の写真、修理の見積もり等が必要となります。

労災事故で書類送検

防水工事で墜落防止措置怠る

防水工事業の会社と同社代表取締役を安全衛生法違反の疑いで地検に書類送検された。

事件概要

事故は、高知県高知市の大学キャンパス内の建屋の屋上で発生。防水事故で労働者が屋上床面の防水シートの裁断作業を行っていたところ、高さ13mの屋上の端から墜落し死亡する労災事故が起きた。安全衛生法では、労働者に高さ2m以上の作業床の端などで、作業を行わせる場合、囲いなどを設けることが困難な時は要求性脱落防止措置を使用させることが規定されている。災害発生当時このような墜落防止装置が講じられていなかった疑い。

◎安衛則第519条

事業者は高さ2m以上の作業の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼす恐れのある箇所には囲い、手すり、覆い等を設けなければならない。

2.事業者は前項の規定により囲い等を設けることが著しく困難なとき又は、作業の必要上臨時に囲い等を外すときは、防網をはり、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

無くならない墜落事故

上記の事例のように墜落事故は労災事故として発生し、工事現場で注意喚起をおこなってもなかなか無くなりません。他にも、足場で資材を運搬中に強風に煽られそのまま墜落した事例や、屋上のスレート屋根を踏み抜いて落下した事例など、死亡案件から運よく軽傷で済んだ事故まで発生しております。

今回のまとめ

建設業の中でも、塗装・防水工事は注意していても防ぎ切れない事故が発生する可能性が比較的高い業種です。賠償リスクでは、塗料飛散や溶剤等の引火、水濡れなど高額な賠償事故に繋がりやすく、また労災リスクでも墜落などで重大な事故が発生し、使用者責任を追及される可能性もありますので、労災上乗せ保険と賠償責任保険を一緒に準備しておきましょう。

 

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