お知らせ・コラム
冬の季節特有の労災事故を防ぐポイントと損害保険
冬の寒い時期になりますと冬季特有の労災事故や災害が発生したりします。とくに積雪寒冷地では、転倒や雪下ろし作業中など雪が原因の労働災害が一向になくなりません。今回は冬に起こりやすい災害の特徴を解説しそれに備える損害保険のご準備も案内いたします。
【目次】
1.冬の悪天候により起こりやすい災害事例とは
2.いますぐできる健康管理と損害保険の備えとは
3.今回のまとめ
冬の悪天候により起こりやすい災害事例とは
■運転には余裕をもって
冬の時期の運転ではスリップなどにより交通労働災害が増加します。冬道を運転する場合は、悪路(圧雪、アイスバーン)、悪天候(吹雪、濃霧などによる視界不良)の際には速度をおさえ、十分な車間距離確保、早めのブレーキ、早期にライトを点灯しましょう。急ハンドル、急ブレーキを避け、危険を予測しながら運転するとともに早目の出発を心がけ、余裕をもった運転に努めることが大切です。橋のうえやトンネルの出入り口などは凍結の危険があるので特に注意が必要となります。運転前に冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の摩耗について点検を行いましょう。摩耗が認められた場合速やかに交換をします。
■つまずき原因は排除を
積雪や凍結により、転倒災害の危険が増加します。敷地内の通路は段差や凸凹、突起物、継ぎ目などつまずきの原因となるものの改善を図りましょう。凍結で滑りやすい場所は、融雪剤、砂の散布、温風機の設置などにより滑り止めの措置を講じます。危険場所がすぐわかるよう掲示板などの「見える化」は効果的です。また夜間の見えにくい場所では夜間照明の照度を上げるなどの対策を講じましょう。床などの水たまりや氷は放置せずにその都度掃除をします。雪、水分を除去するためのモップやブラシを備えましょう。溜まりやすい場所には吸湿性のあるマットなどを敷きます。滑りにくい靴を着用しましょう。屋内に入る場合は、靴に付着した靴裏の雪、水分の除去をしましょう。ヒヤリハット情報などを活用して「危険マップ」を作るのも効果的です。服やズボンのポケットに手を入れて歩くのはやめましょう。スマートフォンを見ながらの歩行も禁止です。
■雪に埋まると動けず
積雪の多い地域では、屋根の雪下ろし作業で墜落・転落災害が起きています。勾配により雪と共に滑り落ちて落下、明り取りの天窓のガラス・プラスチック板を踏み抜き墜落、雪庇を落とす作業中に屋根の端から墜落した事例などが見られます。雪は一見やわらかく墜落・転落しても大丈夫のように思いますが、雪に埋まると身動きがとれなくなるので注意が必要です。屋根の雪下ろしを行う際には、作業者に保護帽(墜落時保護用を兼ねた物)、要求性能墜落制止用器具(安全帯)を着用させます。高さ2M以上の場所では手すりなどを設置するか、困難な場合は親綱を設置し安全帯を確実に使用するなどの措置を講じましょう。スレートやアクリル板で踏み抜きの危険がある場合には、歩み板などを設けるなどの対策が必要です。あらかじめ積雪の状態、建物の構造の状況を把握し、適切な作業手順を講じます。屋根へ昇降するためのはしごは上端、脚部を固定するなどの転位防止措置を行います。雪を落下させる場合には、周辺を立入禁止区域に設定します。屋根上での上下作業は原則禁止です。
■もしものときに消火準備を
工事現場での出火原因は溶接・溶断作業関係、放火・放火の疑い、たばこの不始末が多いとされています。溶接・溶断時は火の粉が着火原因となることから、周囲を不燃性のシートなどで遮へい、可燃物の除去および消火器などの消火準備をすることが重要です。また、可燃性物品や危険物などのそばでの火気使用は厳禁です。放火防止には、出入者のチェック、夜間などの立入禁止と出入り口の施錠を忘れないようにしましょう。タバコに関しては喫煙ルールを守らせるようにします。工場においては火災が発生する可能性のある場所を事前に確認しておくことが重要です。危険物の保管場所、火を扱う作業など、火災の起こるリスクがある場所を特定します。危険物を扱っている工場は薬品や製品の保管場所や作業場に着火や延焼のおそれがないか確認しておきましょう。また消火器やスプリンクラーを適切に設置します。万一の際、機器が動かないことが無いように定期的にチェックします。避難通路となる場所や防火シャッターなどに資材や物品を置くと、いざというときに障害になります。日常から整理整頓に気を配りましょう。火災は被害が甚大であれば、事故を起こした事業場だけではなく、周辺住民も巻き込んで社会的な影響が大きくなります。避難訓練やルール化の徹底、BCP策定など、もしもの事態に備えておくことが必要です。※安全スタッフ記事参照
いますぐできる健康管理と損害保険の備えとは
■あわただしい時期こそ慎重に行動しましょう
年末は納期や工期が迫っていたり、休暇の関係で稼働日が少なく何かと慌ただしい季節です。気持ちが焦っていると危険を見落としたりあえて見過ごすなどヒューマンエラーの温床となります。忙しい時期こそ慎重に作業にあたりましょう。中央労働災害防止協会では厚生労働省後援のもと、年末年始無災害運動を実施しています。実施要領には「職場の安全と健康を確保するためには、経営者、労働者が一丸となって安全衛生活動を推進し、災害のなり職場環境をととのえるためにも、ひとつひとつの作業を丁寧に確認し次の作業に備えること、そして体調管理を万全にし、無理をしないことが大切」と示しています。また、民間の保険会社が提供する任意労災、労災の上乗せ保険のなかには、業務中のケガのみならず日常起こる病気の補償やフルタイム24時間のおケガの補償を選ぶことも可能となっています。
今回のまとめ
寒くなってくると通常時とくらべヒューマンエラーからの労災事故や災害が起こりやすくなっています。そのような災害に対し、あらかじめ予測し備えをご準備される、または起こさないような気構えを社員と一丸となって話し合っていくことはとても重要だといえます。
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