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消化設備の点検中や工事中の事故が多発

消化設備の点検中や工事中の事故が多発

消火設備には、スプリンクラー、消火栓、警報器、消火器さらに泡消火器設備やハロゲン消火設備や二酸化炭素消火設備など消火能力は高いが危険な薬剤を使用する設備も存在します。消火設備の設置基準は、建物の用途・規模・構造などにより消防法で定められており、年に数回の消火設備定期点検も行われています。近年、地下駐車場などに設置されている二酸化炭素消火設備の点検作業中の誤操作や取替工事中のミスなどによる、労働災害が多発しています。今回は、実際の労働災害の事例や消火設備の管理義務拡大などについて触れていきたいと思います。

【目次】

1.消火設備の管理義務拡大へ

2.全国に多数存在する二酸化炭素消火設備

3.今回のまとめ

 

消火設備の管理義務拡大へ

総務省消防庁は、機械式駐車場内の二酸化炭素(CO2)を使用した消火設備で起こった労働災害について、専門家による再発防止策の検討結果をまとめた。一昨年の12月以降、設備の工事、点検中に発生した3件の事故で作業員7人が死亡している。専門家からの提言では、人が立入る際には建物管理者が閉止弁を手動に切り替えるとともに危険性に関わる標識の設置を義務付けることや工事の安全手順を記載した図書の備え付けや、有資格者による点検の範囲の拡大などを求めている。消防庁では報告書の提言内容を踏まえて令和4年度中の政省令などを改定する予定。

(安全スタッフ2022年7月号 参照)

・相次ぐ事故で多数の死者が

地下駐車場の二酸化炭素消火設備の点検作業などで発生した労働災害発生事例

◎ホテル宿泊者用立体駐車場のドライブシャフトの取替工事において、消火設備を操作したところ、噴射した二酸化炭素が立体駐車場と建物地下一階に充満し作業員および建物内にいた施設従業員計11人が被災した(1人死亡、1人重体)【令和2年12月、愛知・名古屋市内のホテル】

◎地下二階駐車場のボンベ室で消火設備の点検を行っていたところ、作業手順を誤って、二酸化炭素ボンベ室から二酸化炭素が噴き出し点検していた作業員および同ビルの警備室に居た警備員3人が被災した(2人死亡)【令和3年1月 東京・港区オフィスビル】

◎都内マンションの機械式駐車場の天井ボード張替工事中に、誤操作した消火設備から二酸化炭素ガスが噴き出し、作業員が一時閉じ込められ、4人が搬送先の病院で死亡、一人が重体となった。【令和3年4月、東京・新宿区】

二酸化炭素消火設備に関連した類似事故が相次いだことを受けて、消防庁では専門家による委員会を設けて再発防止策を検討しています。想定されている事故として「閉止弁を閉止しない状態で防護区画内に人が立入ることが事故要因に考えられる」と見解をまとめています。閉止弁とは、二酸化炭素を放射するための弁で、古い設備では弁自体が取り付けられていない場合もあるようです。検討会の報告書では現在の規制内容を見直し、工事のために二酸化炭素が放射されるエリアに人が立入る際には「建物関係者の責任で閉止弁を閉止しかつ手動に軌道に切り替えた状態を維持すべき」とし建物管理者などの責任として法令などで明確化する必要性を強調しています。

全国に多数存在する二酸化炭素消火設備

消防庁の行った実態調査によると、二酸化炭素消火設備が設置されている防火設備は全国で1万4885件あり、複合商業施設や事務所、マンション、工場などの駐車場が最も多いようです。また、約2割に閉止弁が設置されておらず、特に1991年以前の設備では閉止弁のないものが6割近くを占めています。

・消防点検時の注意点

消火設備の点検中に発生した事故については、点検実施前に起動用ガス容器に接続された操作管を取り外すなど、二酸化炭素の誤放出を防止する措置が適切に講じられなかったことが要因にあると指摘されています。手順の周知徹底が必要であり、消防設備士、消防設備点検資格者の講習に、起動用ガス容器に接続された操作管を取り外す手順を追加すべきとしています。また現在、防火対象物の延べ面積が1000㎡以上の建物所有者に義務付けている消防設備士、消防設備点検資格者による点検については、今後は1000㎡以下も範囲に含めるような動きもあります。

・損害保険で万一に備える

消防設備の点検を行う際は、第三者への対人対物の事故に備える事業者賠償責任保険

・請負賠償責任保険への加入は必須となります。スプリンクーの誤作動や薬剤を使った消火設備で誤作動してしまった場合には、他人の財物や身体にかなりの損害をあたえてしまう危険性があります。

また、労災上乗せ保険の加入も検討しておく必要があります。二酸化炭素消火設備では、場内に人がいないことを前提に、二酸化炭素が充満しますので逃げ遅れた場合には命の危険があります。また、避難はしごや救助袋の点検などでも落下や墜落の危険性もありますので重大な労災事故に発展してしまう可能性もあります。

今回のまとめ

古い消防設備では、安全機能が十分でない装置も多く、事例のように誤作動が起きた場合には大きな事故に繋がってしまいます。消防設備の点検業者が細心の注意を払うのはもちろんですが、内装業やエレベーターの点検業者が誤作動させてしまった事故も発生していますので、注意して作業を行うことが必要となります。

事故が発生しないように安全第一で作業をすすめることが最も重要ですが、万一に備えて損害保険の準備をしておくことも大切になります。

 

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