お知らせ・コラム
ネットの誹謗中傷に負けない!改正法で変わる企業の対策とは
近年、インターネット上の誹謗中傷は社会問題としてより広く認知されています。最近では人気リアリティー番組の出演者の発言がSNSで「炎上」し、多くの中傷コメントが投稿され、その後出演者が自殺した事件が多くの注目を集めました。しかしいまだに顔の見えないSNS上やネット掲示板では、誹謗中傷があふれています。また企業の口コミサイトなどへの悪質な書き込みも問題になっており、採用活動などにも支障をきたしているようです。増え続けるネットでの誹謗中傷などに、企業はどう対応していくべきでしょうか。
【目次】
1.令和3年の法改正、令和4年秋ごろまでに適用に
2.企業がとるべき対策や対応
3.今回のまとめ
令和3年の法改正、令和4年秋ごろまでに適用に
令和3年4月21日、インターネットで誹謗中傷を行った人の特定をしやすくするための「プロバイダ責任制限法」の改正案が可決されました。気軽に自分の意見を発信したり、情報収集をすることができるSNSやネット掲示板ですが、匿名で投稿できることや相手の顔が見えないことから、昨今それらによる誹謗中傷が大きな問題になっています。こうした問題を受けて、昨年、インターネットで誹謗中傷を行った人の特定を容易にするための「プロバイダ責任制限法」の改正が可決・成立しました。令和4年10月をめどに施行される予定です。
これまでは誹謗中傷を行った人を特定するためには、SNS等のコンテンツ事業者と、誹謗中傷を行った人が使った通信事業者(プロバイダー)の両方に、発信者情報の開示を求める必要があり、手続きに時間がかかることが課題とされていました。しかし、改正法施行後は、裁判所を通じた1回の開示請求で手続きが済むようになります。
現在、誹謗中傷を行った人を特定するための開示手続きには1年ほどかかりますが、この法案が施行されれば、数ヶ月から半年で済むようになります。
また、裁判所は、事業者に誹謗中傷を行った人の情報を消さないよう、命令を出すことも可能です。
SNSを利用している人を対象に100名を無作為に抽出しアンケートを行ったところ、驚くことに、「SNSで誹謗中傷を行ったことがある(誹謗中傷になるかもしれない投稿やリツイート等を含む)」と答えた人はなんと25%にも上りました。4人に一人が誹謗中傷にあたる可能性のある行為をした経験があるというのは、割合としては非常に高いといえるのではないでしょうか。誰もが被害者だけでなく加害者にもなり得る社会となった今、今回の法改正は大きな意味をもつものだといえます。
企業がとるべき対策や対応
企業に対して誹謗中傷が行われてしまうと、イメージダウンにつながりますし、売り上げが大幅に下がってしまうという悪影響を受けてしまいます。最近では外部からだけではなく、企業内部者からの事実とは違うマイナス情報の発信などもあり、転職サイトなどでのそれらの口コミが採用活動に支障をきたす場合もあるようです。企業が誹謗中傷を受けないためにできる対策や、万が一誹謗中傷を受けてしまったときに取るべき対処法はあるのでしょうか。
■企業が誹謗中傷を受ける事例
①CMやプロモーション、SNSでの発信に対する誹謗中傷
②カスタマーサービスなどの顧客対応に対する誹謗中傷
③食品や製品に対する誹謗中傷
④経営者の経歴や過去に対する誹謗中傷
〇〇会社はブラック会社だ!
〇〇社の食品に虫が混入していた!
カスタマーサービスの対応が最悪!
【誹謗中傷によって想定されるダメージ】
◇企業ブランドのイメージダウン ◇売り上げの低迷
◇取引先が減少する、新規取引が難しくなる ◇株価の低下・・・etc
【企業における対策】
①逆SEO対策
あるキーワードに対して、サイトを検索上位に押し上げるSEO対策はご存知の方も多いと思いますが、その逆を行う逆SEO対策では、悪質なサイトや誹謗中傷が書きこま
れたサイトを検索結果下位に押し下げて、検索結果をクリーン化する対策です。
②ネット風評監視
ネット風評監視サービスを行っている企業にWEBパトロールを行ってもらい、クライアントにとってネガティブな情報や、SNSでの誹謗中傷の内容が掲載されたサイトの早期発見をすることで、風評被害を最小限に抑えることができます。民間の保険会社でも「風評被害対策リスクへの対応」として、ネット監視サービス、風評リスク対応費用、炎上した際の緊急対応費用などを補償する商品を販売しているところもあるので、そういった保険に加入して備えるのもおすすめです。
③早い段階での弁護士など法律専門家への相談
無視できないレベルのいわれのない中傷に対しては早い段階で法的措置について専門家に相談しておくことが大切です。ことが起きてから弁護士等を慌てて探すのは大変ですので、あらかじめ「弁護士費用保険」などに加入しておくと安心です。ご加入の企業向け保険に弁護士費用特約がついている場合もありますので、一度ご確認いただくのもよいかもしれません。
今回のまとめ
誹謗中傷と正当な内部告発、クレームの線引きはとても難しい面があります。一般的には、正当なクレームや実際に顧客に損害を与えていた場合、被害を被った顧客への対応として、企業賠償責任保険やPL保険に加入することで、事実確認の調査費用、争訟費用や損害賠償費用、弁護士費用などを準備することができます。生産物に問題があった場合は、生産物品質保険に加入していれば、回収等費用、謝罪広告活動費用、調査費用、コンサルタント費用がカバーできます。
いわれなき風評や誹謗中傷の場合、経営基盤がゆるがないよう先ほど述べたような対策、ネット環境に特化した保険や専門家への法的相談に対応できる補償に加入するなどして備えておきましょう。
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