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【コロナ労災のボーダーライン!?】業務上疾病となるか否かの線引きとは

【コロナ労災のボーダーライン!?】業務上疾病となるか否かの線引きとは

いまだに新型コロナによる影響はつづいており、景気を取り返すためのGoToトラベルキャンペーンについても直近2020年12月には感染拡大が深刻な東京都と名古屋市、既に一時停止をしていた大阪市や札幌市も一時停止を延長しました。その後、年末年始にあたる12月28日から2021年1月11日までの間、GoToトラベルキャンペーンの利用を全国で一斉に停止すると発表があり、まだまだ今後の動きが気になるところです。

実際に国内新規感染者もどんどん増えてきており、昨日2021年1月7日は過去最多となる7570人となりました。それだけ増えてきているコロナ感染ですが、これが業務中に起こったことと認められる場合は労災扱いとなるケースがございます。今回はこの部分を小売店業者で実際に起きた事例を取り上げて解説していきます。

【目次】

1.店頭で接客業務に従事していた販売員がコロナにかかった事例とは

2.新型コロナが労災となるボーダーラインとは

3.今回のまとめ

 

店頭で接客業務に従事していた販売員がコロナにかかった事例とは

小売店で店頭での接客業務などに従事していた販売員Xが、発熱やせきなどの症状があったためPCR検査を受けたところ、新型コロナウイルスの陽性反応が出た。労働基準監督署にてXの勤務実態を調査したところ、感染の経路の特定はできなかったが、発症前14日間の業務のなかで、毎日数十人と接客し商品の説明などをおこなっていたことが認められた。一方Xの発症前14日間の私生活における外出は、日用品の購入や散歩などのみとなっており私生活での感染リスクは少ないとされた。また、医学専門家の見解として、接客中の飛沫感染や接触感染が考えられるなど、Xの感染は業務により引き起こされた可能性があるとされた。以上の経緯により、Xの感染はその経路こそ特定されないものの、顧客との接触が多い労働環境のもとで行われたものと認められたことから、業務上ということで判断された

※2020年12月25日安全スタッフ参照

新型コロナが労災となるボーダーラインとは

では、新型コロナウイルスの発症が業務上になるか業務外になるかの判断について。こと業務上外の判断に関していうと、従来の業務上疾病などと大きく変わることはありません。判断基準としては、労働者の新型コロナウイルスへの感染と従事する業務との間に相当因果関係が認められるか否かという考え方にもとづき判断されます。新型コロナウイルス感染症に関しては、すでに日本全国で万単位での感染事例が報告されている疾病であり、また無症状の感染者によって感染が拡大するリスクがあるという特性を備えていることも明らかになっています。そのため、上記の判断にあたっては、調査により感染経路が特定されなくても、業務により感染した※蓋然性(がいぜんせい)が高く、業務に起因したものと認められる場合にはこれに該当するものとして運用することとされています。

※蓋然性(がいぜんせい)とは

ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合い。確からしさ。これを数量化したものが確率。

 

具体的な取扱いは、新型コロナウイルスへの感染が日本国内で発生したか否かによって異なっており、今回は日本国内での発生事例にもとづいて解説します。まず医療従事者や介護従事者などが新型コロナウイルスに感染した場合は、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として業務上の疾病と判断されます。またそれ以外の業務に従事する労働者であっても、感染経路が特定され感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、同じく業務上の疾病として扱われます。医療従事者や介護従事者など以外の労働者で感染経路が特定されなかった場合でも、感染リスクが相対的に高いと考えられる労働環境の下で業務に従事していた労働者が感染した場合には、業務により感染した蓋然性が高く業務に起因したものと認められるか否かを個別の事案に即して判断するとされています。この場合における「感染リスクが相対的に高いと考えられる労働環境」とは、複数の感染者が確認された労働環境または顧客などとの近接や接触の機会が多い労働環境を指します。またこの判断をする際には、最長で14日間とされる新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況などを調査したうえで、医学専門家の意見も踏まえ判断することとされています。上記のように、一般生活状況で基本的に感染疑いの要因がないケースだと業務上と認められやすくなることから、業務上=労災認定という流れになり、労働者としてはありがたいことですが、逆に経営者サイドからすると、労災認定は会社に責任がある。ということから、企業責任を問われる可能性もでてきます。政府労災では対象とならない部分の上乗せ労災を民間の保険会社により備えていくことも重要ポイントとなります。

今回のまとめ

新型コロナウイルスは、主に飛沫感染と接触感染により感染するといわれており、いわゆる「夜の街」や家庭内、大人数での会食などで感染が拡大した事例が多く報じられていますが、飛沫感染や接触感染のリスクは職場にも同様に存在します。多くの企業で消毒液を備えたり出勤時の検温、透明ビニールカーテンの設置などに取り組んでいるとは思いますが、労働環境が『三密』(密閉・密集・密接) の状態を解決しなければ、業務上の疾病として認定される犠牲者がでてしまいます。また、起こりうる労災のための備えとして任意労災の補償内容を再度見直ししておくことをおすすめします。

 

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