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【2025年問題】建設業の皆様、高齢労働者の安全対策は万全ですか?
建設業界が直面する「2025年問題※」をご存知でしょうか。少子高齢化が進む日本社会において、多くの業界で人材不足が危惧されていますが、建設業界も例外ではありません。
※2025年問題とは、戦後すぐの第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、いわゆる”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念されている問題のことをいいます。
国土交通省の資料によりますと、建設業就業者は、55歳以上が約34%、29歳以下が約11%と高齢化がすすんでいます。
2025年には、建設業界での働き手が、約90万人不足するといわれており、次世代を引き継ぐ職人の人材確保が建設業界の課題であることに間違いありません。それと同時に、高齢になっていく建設業従事者の皆様に、健康で安全に、そしてできるだけ長く働き続けていただくことも考えていかなくてはいけません。
今回は、高齢化が進む建設業界において、安全対策や健康管理、そして次世代を担う若手の人材確保のために企業ができることを考えてみましょう。
【目次】
1.高齢者が安全に働ける職場づくりは、ケガ、健康、メンタルヘルス対策!の3つがポイントです
2.若手の人材不足に対して、企業はどのような対策を取るべきでしょうか。
3.今回のまとめ
高齢者が安全に働ける職場づくりのポイントはケガ、健康、メンタルヘルス対策!の3つがポイントです
「うちの建設会社も高齢の従業員が増えてきたなぁ。」
「仕事の仕方や、安全対策はこのままでいいのだろうか。」
そんなことを考え始めた経営者の皆様。今すぐにできる対策はズバリ「見える化」です。例えば、以下のような対策が考えられます。
■開口部などの安全標識は、転落事故を防ぐために一目で分かりやすく見やすいものにする。
■暗所での作業の際は、チューブライトの利用や、点滅ライト付ベストを着用してもらう。
■65歳以上の従業員には、ヘルメットにセーフティーステッカーを貼ってもらう。
■不要架台の撤去等、つまずくものを無くす取り組み。
その他にも、健康対策として朝礼時にラジオ体操を取り入れたり、腰痛対策として、現場内で腰をしっかり伸ばせるようにぶら下がり器具を設置している企業もあります。
また、熱中症防止策として、お互いの様子を観察し、休憩や水分補給などのアラートを出し合う2人1組でのバディ制度など、多くの企業で様々な対策が取られているようです。
さらに、身体の健康だけでなく、従業員のメンタルサポートとして個別カウンセリング、レクリエーションや定期的なミーティングなど、仕事から少し離れてリフレッシュしたり、悩みや相談したり気軽に意見を出し合える職場づくりも、広義での職場の安全対策といえるでしょう。
しかし一方で、事故によるケガや、病気は高齢になればなるほど起こる確率は上がってしまいます。万が一の就業中の事故によるケガ、病気による入院、病気で働けない期間の従業員の所得補償などは、企業向けの労災の上乗せ保険で、補償をカバーすることができます。
長く働いてくれているベテラン従業員の方々の経験や知恵は何物にも代えがたい価値があります。
安全な職場づくり+労災の上乗せ保険による補償の充実で、たとえケガや病気をしたとしても、安心してその先も長く働いていただける環境づくりをしていくことが大切です。
若手の人材不足に対して、企業はどのような対策を取るべきでしょうか
1995年には65万人ほどいた20~24歳の建設業入職者数は、2010年になると15万人と、約8割も減ってしまいます。なぜこのようなことになったのでしょうか。 理由の一つとしては、建設業に対しいわゆる「3K=きつい、汚い、危険」の印象が強いことが挙げられます。また、今の若者は仕事に楽しさややりがいを求め、かつプライベートとのバランスや職場での人間関係を重視する傾向にあります。よって職人さんに叱られながら学ぶという建設現場での古い価値観が、現在ではモラハラやパワハラと捉えられかねません。また賃金の低さや、休日の非定着、長時間労働なども若者に敬遠される要因だといえます。
国はこのような事態を憂慮し、国土交通省において、2018年3月「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。その中には「週休二日制の推進」「長時間労働の是正」「技能や経験に見合った給与体系の実現」「社会保険加入のスタンダード化」などが盛り込まれています。さらにこのような国の方針を受け、建設業界でも動きがみられます。
【様々な企業の取組の一例】
①今までの日当制から月給制へと給与体系を変更。給与の安定化を図る。
②「見て覚えろ」はもう古い!OJT(注)による新人への教育体制プログラムの充実。
③作業着を刷新。若者や女性作業員にも好まれやすいおしゃれなデザインに。
(注)OJTとは、On the Job Trainingの略で、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事をとおして指導し、知識、技術などを身に着けさせる教育方法の事をいいます。
上記の取組のように、企業は先行投資として若手を採用するために様々な工夫をしながら前向きに準備することが重要です。
また先に述べたケガや病気時の補償、所得補償など、福利厚生の充実も、新たな人材確保の呼び水となるかもしれません。
建設業に関わる経営者様必見!のまとめ記事、こちらもぜひご覧ください。
関連記事▶【まとめ記事】これを見れば「建設業」で”今”必要となる保険がわかります!!”約10年”の実績をもつ名古屋の損害保険代理店が徹底解説
今回のまとめ
今回は、建設業界における人材の高齢化と、深刻な若者離れについてお話しました。
ベテラン従業員の方の知識や技術がいかに素晴らしいものであっても、会社を存続させるには、それを受け継いでくれる次世代が必要です。
今いる従業員の方を長く大切にすると共に、労働環境や雇用条件、福利厚生制度を見直すことで、新たな人材の確保に成功している企業もあります。
私たち保険代理店にも、企業様のさらなる発展のためにお手伝いできることが必ずあります。お困りごと、疑問に思うことがありましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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